不動産業界のビジネスチャンス

シェアオフィス市場のプレーヤーとしては、現在約20拠点を展開するWeWorkが2021年には100を超える拠点をめざすなど、外資系を中心に日本のシェアオフィス市場に乗り出している。最近は日本の不動産業も、さらに不動産以外の大手・ベンチャー企業も負けていない。スタートアップ向けシェアオフィス市場は、不動産業界でも新たなビジネスチャンスとなっている。

そこにJUST FIT OFFICEは、入居企業とシェアオフィス供給側をマッチングさせるプラットフォームとして参入する。ただし、U/のターゲットは入居者が数人、十数人の小規模企業が中心だ。また、大企業でも新規事業チームがシェアオフィスを活用するケースがあるが、それも同社のターゲットである。

「一般的な賃貸オフィスの仲介ビジネスでは、できれば大きなオフィスで、大きな額の仲介手数料をもらうことを考えますよね。ところが、小さなシェアオフィスだと家賃も高くないので、一般的な賃貸オフィスのビジネスだと採算がとりにくい。その誰も扱いたがらない市場を独占的に押さえることをねらっています」

いたってシンプルなビジネスモデル

社員数」「エリア」で検索できるシンプルなスタイル
異なる業者の複数のシェアオフィスを比較検討できる

JUST FIT OFFICEのビジネスモデルはいたってシンプルだ。入居希望者(企業)は無料で利用でき、オフィス運営企業側より、成果報酬で手数料を徴収している。その市場のプラットフォームを運営するのがJUST FIT OFFICEであるため、いわば入居希望のスタートアップや大手の新規事業チームも顧客であり、個別のシェアオフィス運営不動産業も大手不動産のシェアオフィス部門もWeWorkも顧客である。

シンプルなビジネスモデルを体現すべく、ユーザーインタフェース(UI)も、従来の賃貸オフィス紹介サイトとはひと味違う。

「従来の賃貸オフィス紹介サイトだと、賃料、坪数、エリアなどで検索を絞っていきますよね。でもJUST FIT OFFICEでは、賃料と坪数は検索ワードには入れることができないようにして、あくまで利用人数とエリアで検索するUIにしています。そこからいくつかのシェアオフィスを比較検討できるようにしています(写真参照)」

賃貸オフィス市場に限らず、不動産業界・市場の商慣習は売買・賃貸・仲介・専任物件・広告料・両手取引……など、現在は是正されてきた面も含めて実は複雑だ。内山氏はその複雑な商慣習がJUST FIT OFFICEにとってはチャンスだともとらえている。シンプルであればこそ、入居希望者の意思決定も早く、シェアオフィス供給側のムダな時間や集客コストの削減などにつながる。それが、シェアオフィス供給側のプレーヤーである不動産オーナーにとっても利回りや収益性の向上につながるからだ。