90年の歴史を持つアメリカの自動車専門紙Automotive newsは、同2月6日に「海外自動車メーカーが恩恵を受けるトランプ税制、チャンスを逃がすGMとフォード」を掲載。米ビッグスリーを除き、世界の大手自動車メーカーにとってトランプ税制は恩恵(boon)となると指摘した。
記事によると、GMやフォードは苦戦を強いられている。たとえばGMは第4半期の業績で73億ドル(約7700億円)の損失を計上した。これは積み重なる赤字経営の中でひねり出してきた繰延税金資産が、トランプ政権の低い法人税率の下で評価額を低く修正されたためである。
対して、ホンダ<7267>やトヨタ自動車<7203>といった日本、そしてドイツ企業の業績の好調ぶりは著しい。
これら外国車メーカーのおかげで、アメリカへの好影響も見込まれる。特にトヨタとマツダはアラバマに16億ドル(約1700億円)の自動車工場を建設中であり、これによりアメリカ国内での生産・販売台数の伸びが期待される。トヨタは既に米国内に3万6000人以上の雇用をもたらしているが、今回の工場建設でさらに4000人の雇用創出が予想される。
伊フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)も減税の影響で1年に10億ドル(約1060億円)の節約を生んだ結果、アメリカの労働者に対し2000ドル(約21万円)のボーナスを支給することを同1月に発表した。
こういった明暗がくっきりと分かれている動向について、投資リサーチサービス会社・モーニングスターのアナリストは「皮肉な現象だ」とした上で、「政府の介入と変化には、常に予想しがたい結果がつきまとう。しかし長期的に見れば、誰もが節税を意識するようになり、すべては好都合に動くだろう」としている。
さらにブルームバーグインテリジェンスのアナリストの「今はまさに2005年以降の損失をカバーすることから、国内産業保護へ至る過渡期だ」との分析で記事を締めくくっている。
カスペルスキーとは、モスクワに本社を置くサイバーセキュリティー会社です。サイバー攻撃に北朝鮮が関与している可能性が強いとの見方を示したことで、この名前をこのところ頻繁に耳にするようになりました。