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ユニゾが民事再生でNSSKが支援、負債総額は約1262億円
ユニゾホールディングスは4月26日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し同日、保全監督命令を受けた。今後、NSSKグループの支援の下で再生を図る。同社は約2050億円でEBO(従業員による買収)が成立し、2020年6月に上場廃止していた。
ユニゾの経営陣は、ローン・スターが買収資金を提供するEBOに賛同することを、2019年12月22日に公表しています。
それと全く同じタイミングで、小崎哲資氏を含むグループ会社の全取締役、全監査役、全執行役員の辞任が決議されています。辞任するタイミングは買収が完了するのとほぼ同じ時期の2020年4月末。グループ全体の業務の引継ぎに残るのは、執行役員わずか5名のみで、その年の5月末に辞任するという内容のものでした。この規模の会社で引継ぎに1カ月というのはやや不自然です。
EBOという聞こえのいい言葉だけを残し、TOB合戦でつり上がった買収資金の返済を残る従業員にすべて押し付けているようにも見えます。しかも、2019年12月初旬には中国の武漢市で未知のウイルス感染症が見つかり、年末にかけて瞬く間に広がる様を世界中の人々が目の当たりにしていました。
ユニゾの買収額は2,050億円。買付主体はチトセア投資で、ローン・スターが27%、従業員が73%出資するというものでした。ローン・スターの支援には条件があり、決済の開始日から半年後にローン・スターから経営サポートを得て協業体制を継続するか、資金を返済して独立するかの2つの道が提示されていました。
ユニゾが選択したのは後者でした。ユニゾはチトセア投資に対して、2,500億円超の短期貸付を行っています。その額は2021年3月末に残高が2,060億円になるように調整されており、買収資金とほぼ一致する内容です。
■チトセア投資に対する貸付内容
ユニゾの現金は2020年3月末から9月末までの間で、1,635億円から550億円まで縮小。1,436億円あった販売用不動産は消失しました。チトセア投資の貸付金に充当されたものと考えられます。
コロナ禍にも関わらず、ユニゾは2021年3月期上半期に2,649億1,800万円もの売上高を計上しました。これは2020年3月期通期の売上高の6.5倍にも上る数字です。その多くは不動産の売却で得たものです。
更にユニゾは2021年3月期上半期に1株75億9,800万円の中間配当を実施。当時の発行株式総数は7で、531億8,600万円が中間配当として拠出されたことになります。買収当時と出資比率が変わらなかったと仮定すると、27%出資するローン・スターは単純計算で143億6,000万円を受け取った計算です。ローン・スターは利益を得て早々と立ち去りました。
倒産したユニゾは日本産業推進機構(東京都港区)がスポンサーとなり、再生に向けて動き始めます。同社は、ユニゾが十分再生可能であり、今後の更なる発展も見込めるとしています。
麦とホップ@ビールを飲む理由
しがないサラリーマンが30代で飲食店オーナーを目指しながら、日々精進するためのブログ「ビールを飲む理由」を書いています。サービス、飲食、フード、不動産にまつわる情報を書き込んでいます。飲食店、宿泊施設、民泊、結婚式場の経営者やオーナー、それを目指す人、サービス業に従事している人、就職を考えている人に有益な情報を届けるためのブログです。やがて、そうした人たちの交流の場になれば最高です。
ユニゾホールディングスは4月26日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し同日、保全監督命令を受けた。今後、NSSKグループの支援の下で再生を図る。同社は約2050億円でEBO(従業員による買収)が成立し、2020年6月に上場廃止していた。