「アンジェス」「いすゞ自動車」「東芝」に動き 三木谷氏は楽天株を売却 2021年4月の大量保有報告書 

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M&A Online編集部が大量保有データベースで2021年4月の大量保有報告書の提出状況を調べたところ、新型コロナウイルス用ワクチン開発に取り組んでいるアンジェス株について、6回の大量保有報告書の提出があった。

モルガン・スタンレーMUFG証券が新規に5.49%保有したあと、1.83%売却し保有割合を3.66%にしたほか、米国の金融サービス会社のCANTOR FITZGERALD & CO.が4度売却(合計6.27%)し、保有割合を4.02%に引き下げた。

アンジェスは2021年3月10日に、国内の第2/3相臨床試験でワクチン接種を完了し、現在は安全性と免疫原性(免疫応答を引き起こす能力)の評価を行っており、国産ワクチン第一号になる可能性がある。

日本郵政が楽天を8.32%保有

ネット通販大手の楽天グループ株を日本郵政が新規に8.32%保有する一方、創業者の三木谷浩史氏が同社株を2.75%売却し、保有割合を34.59%に引き下げた。

両社は2021年3月に資本業務提携契約を結んでおり、日本郵政による楽天グループ株の保有はこの契約に基づくもので、このほかにも物流事業の共同出資会社の設立や、ゆうちょ銀行による楽天カードの取り扱いなどにも取り組む計画。

シンガポールの資産運用会社の3Dインベストメント・パートナーズは、英投資会社CVCキャピタル・パートナーズから株式非公開化の提案を受けた東芝の株式を新規に7.2%保有した。

3Dインベストメント・パートナーズは2021年4月26日に東芝の取締役会に対し、東芝の企業価値向上のために、株主構成の変更を含む戦略的選択の検討を求める公開書簡を送付している。

トヨタ自動車と三井住友信託銀行は、いすゞ自動車株を新規に5%強保有した。トヨタ自動車は「自動車関連(業務提携)の維持・発展のための政策投資」、三井住友信託銀行は「発行会社との総合取引推進のため、安定株主としての長期投資目的に保有する」とコメントしている。

フラッグシップはペッパーフードを8カ月連続で売却

このほか、投資会社のフラッグシップアセットマネジメント(東京都港区)が、経営再建中のペッパーフードサービスの株式を3度売却(合計8.15%)し、保有割合を26.63%に引き下げた。同社は2020年9月から毎月保有株式を売却しており、2021年4月で8カ月連続となる。

2021年4月の大量保有報告書の提出件数は1084件で、このうち保有割合を増やしたのが246件、新規保有が205件、保有割合を減らしたのが523件、契約の変更などが110件だった。

文:M&A Online編集部

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