M&A Online編集部が大量保有データベースで2021年3月の大量保有報告書の提出状況を調べたところ、2021年2月期に5期連続で営業赤字に陥る見込みのアパレル大手の三陽商会株を、投資家の志野文哉氏が5.66%を新規保有したあと、3度買い増し保有割合を8.39%に高めたことが分かった。
三陽商会は2015年に経営の柱だった英バーバリーとのライセンス契約が終了し、その後は業績が低迷していた。そこに新型コロナウイルス感染症の影響が加わり一段と厳しい経営状況に陥ったため、利益体質の強化などを目的に150人程度の希望退職を募っていた。
応募者は180人に達し、3月31日に退職。これに伴い2021年2月期に約13億円を特別損失として計上する予定という。
このほかネット通販大手の楽天の創業者である三木谷浩史氏が同社株を2.9%売却し、保有割合を37.34%としたほか、旅行会社大手のエイチ・アイ・エス(HIS)の創業者である澤田秀雄氏も同社株を1.66%買いましたあと1.02%売却し、保有割合を34.24%とした。
また、時短営業命令は違法だとして、東京都に損害賠償を求める訴訟を起こしたレストランチェーンのグローバルダイニングの創業者である長谷川耕造氏は、同社株を0.84%売却し保有割合を74.52%とした。
ペッパーランチ事業の売却やいきなり!ステーキを中心とする店舗の閉店などによって経営再建を進めているペッパーフードサービス株を、投資会社のフラッグシップアセットマネジメント(東京都港区)が6度売却(合計6.97%)し、保有割合を34.78%に引き下げた。
フラッグシップアセットマネジメントは2020年9月から毎月保有株式を売却しており、2021年3月で7カ月連続となる。
2021年3月の大量保有報告書の提出件数は1320件で、このうち保有割合を増やしたのが328件、新規保有が216件、保有割合を減らしたのが652件、契約の変更などが124件だった。
文:M&A Online編集部
2020年6月に、経営陣による買収(MBO)の一環として米投資ファンドのベインキャピタルがTOB(株式公開買い付け)を実施中のニチイ学館について3件の大量保有報告書の提出があった。
クラウドワークス株の保有割合を10.47%に高めていたベイリー・ギフォード・アンド・カンパニーが徐々に保有割合を下げている。ベイリー・ギフォードとはいったいどのような企業なのか。
2019年7月の大量保有報告書の提出件数は861件で、減少が増加と新規の合計を33件上回った。2019年4月以降4カ月連続で減少が増加と新規の合計を上回っており、33件は今年最大の乖離幅となった。