M&A Online編集部が大量保有データベースで2021年2月の大量保有報告書の提出状況を調べたところ、ペッパーランチ事業の売却や、いきなり!ステーキを中心とする店舗の閉店などによって経営再建を進めているペッパーフードサービスについて、フラッグシップアセットマネジメント(AM)が4度株式を売却(合計4.39%)し、保有割合を41.75%に引き下げた。
フラッグシップAMは2020年8月にペッパーフードサービス株の72.27%を新規保有したあと、2020年9月から2021年2月まで6カ月連続で売却を続けており、この間に保有割合は30%強低下した。
シンガポールのウットラム・グループによる子会社化が決まっていた日本ペイントホールディングス(HD)について、ウットラム傘下の塗料メーカー・ニプシー・インターナショナル・リミテッドが15.55%を買い増し、保有割合を54.55%とした。
日本ペイントHD株については、このほかに三菱UFJフィナンシャル・グループが2.46%売却し、保有割合を4.86%に引き下げた。
またスポーツ用品販売のヒマラヤについて、三菱商事が8.65%を売却し、保有割合をゼロとした一方、創業者で現会長の小森裕作氏が7.84%買い増し、保有割合を42.54%に高めた。
ヒマラヤと三菱商事は2011年に資本業務提携を結び、プライベートブランド商品の開発や物流効率化などに取り組んできたが、提携解消を受けてヒマラヤ創業家の資産管理会社であるコモリ・コーポレーション(岐阜市)が同社株のTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表していた。
さらに旧村上ファンド系のレノが自動車部品メーカーのヨロズ株を0.32%買い増し、保有割合を11.58%に高めた。レノは2019年から2020年にかけて施工不良問題を抱えるレオパレス21について頻繁に大量保有報告書を提出していたが、このところ提出件数は減少していた。
ソフトバンク創業者の孫正義氏はソフトバンクグループ株について「担保契約等重要な契約の変更」を理由に変更報告書を提出した。
2021年2月の大量保有報告書の提出件数は959 件で、このうち保有割合を増やしたのが253件、新規保有が164件、保有割合を減らしたのが484件、契約の変更などが58件だった。
文:M&A Online編集部