フィデリティの投資姿勢が前向きに 大量保有報告書から見えてきた
フィデリティ投信の日本株への投資姿勢が前向きに変わってきたようだ。2018年の大量保有報告書の提出状況を見ると、前年同期よりも積極的な姿勢が垣間見える。
ブラックロックは米国の投資運用会社で、ニューヨークやロンドン、東京などの25都市に運用拠点を持つ。運用資産残高は6.3兆米ドル(約700兆円)に達する。同社の投資姿勢は長期保有を基本としており、企業は利益の追求だけでなく、社会への貢献が必要としている。
ベイリー・ギフォード・アンド・カンパニーは英国の投資運用会社で、国債や通貨、新興市場債、株式などに投資し、総額は1929億ポンド(約27兆3900億円)に達する。同社はホームページで「10年間を目指す長期的な投資を行う」としており、自らを「投機家ではなく長期投資家である」としている。
スルガ銀行の不正融資の事態を受けてブラックロックとベイリー・ギフォード・アンド・カンパニーは、今後スルガ銀行の業績が悪化し、株価が下落すると見込んでスルガ銀行株の保有割合を下げたり、手放したりしたものと思われる。
一方、不正融資が明らかになった5月以降にスルガ銀行株を新たに保有し、さらに買い増しているプラチナ・インベストメント・マネジメント・リミテッドにはどのような戦略があるのだろうか。
プラチナ・インベストメント・マネジメント・リミテッドは1994年に設立されたオーストラリアの投資運用会社で、世界中の上場企業に投資しており、現在の投資額は約260億豪ドル(約2兆500億円)。同社のホームページによると「真の価値と見通しがまだ市場によって完全に認識されていない企業を探し出し、長期的な収益を達成することに焦点を当てて投資する」としている。
この文面からは、スルガ銀行が今回の騒動を乗り越え、新たな成長路線を歩むとの判断を下したと見ることができる。
では新たな成長路線とはどのようなものがあるだろうか。
フィデリティ投信の日本株への投資姿勢が前向きに変わってきたようだ。2018年の大量保有報告書の提出状況を見ると、前年同期よりも積極的な姿勢が垣間見える。
中期経営計画の発表などと併せてM&Aの投資枠を設ける企業が増えている。社内外に向けて「M&Aに積極的に取り組む企業」をアピールする狙いがあるとみられるが、効果はいかほどのものだろうか。