風格とともにどこか郷愁を覚えるJR高野口駅(和歌山県橋本市)。この高野口周辺に江戸・明治・昭和初期にかけていったんは栄えたものの、やがて潰え、そして平成、令和に向けて復活を遂げた伝統技術と産業がある。高野口パイル織物だ。
もともと高野口周辺では、江戸時代から農家の主婦たちを中心に、いわば農家の手仕事として織物を始めた。やがてその織物は、紀州藩のあと押しもあり、周辺農村の副業へと育っていった。その農村の副業を地場産業として開花させたのが、地元の豪商として知られる前田安助であった...
東京大学は日本国内に7つの地方演習林を所有している。最も古くに開設され、総面積5812ヘクタールを擁するのが秩父演習林である。演習林内にはいくつかの森林軌道が敷かれ、往時には大活躍していた。今回はその森林軌道をめぐるM&Aを見ていく。
埼玉県北部の深谷市。新1万円札に載る渋沢栄一の生誕の地。深谷は「煉瓦の町」としても知られる。深谷駅の駅舎は東京駅を模した造り。そして、その東京駅の赤煉瓦を供給したのが、深谷市上敷免にあった日本煉瓦製造株式会社である。