高野山の参詣とともに、パイル織物で栄えた高野口
風格とともにどこか郷愁を覚えるJR高野口駅(和歌山県橋本市)。この高野口周辺に江戸・明治・昭和初期にかけていったんは栄えたものの、やがて潰え、そして平成、令和に向けて復活を遂げた伝統技術と産業がある。高野口パイル織物だ。
もともと高野口周辺では、江戸時代から農家の主婦たちを中心に、いわば農家の手仕事として織物を始めた。やがてその織物は、紀州藩のあと押しもあり、周辺農村の副業へと育っていった。その農村の副業を地場産業として開花させたのが、地元の豪商として知られる前田安助であった...