東京大学は日本国内に千葉演習林、北海道演習林、秩父演習林、田無演習林、生態水文学研究所、富士癒しの森研究所、樹芸研究所と7つの地方演習林を所有している。そのうち、1916年と最も古くに開設され、規模においては北海道演習林に次ぎ総面積5812ヘクタールを擁するのが秩父演習林である。
荒川水系の上流にある秩父湖のさらに奥、滝川、入川といった清冽な河川の流域をめぐる広大な山々の森を演習林として育成し、また研究に活用してきた。
その演習林内には、いくつかの森林軌道が敷かれていた。主に、伐採した木材を運搬するための鉄道である。馬車からトロッコへ...