産業遺産といっても、それほど古い話ではない。1970年代まで現役で電車が走っていた鉄道の話である。
岩手県花巻市の市街と西郊の万寿山の山麓にある花巻温泉、また花巻から西に豊沢川沿いにある秘湯・鉛温泉。この2つの温泉地に延びる2路線を擁していた花巻電鉄。特に花巻の奥座敷、花巻温泉郷は近郊の台温泉から湯を引き、「花巻温泉郷を一大リゾート地に!」と目論む金田一国士という岩手経済界のドンといわれた人物によって周辺の開発が進んだ。と同時に、花巻電鉄も多くの行楽客を運んだ...
「ノリタケの森」は洋食器メーカーとして世界的に知られるノリタケカンパニーリミテドが創業100周年を記念し、2001年に開設した企業文化施設だ。広大な敷地に旧製陶工場施設などが並ぶ。その光景は、まさに日本陶業の格と質の高さを感じさせる。
1974年2月24日、滋賀県近江八幡市に本社を置く近江兄弟社が会社更生法を申請し主力商品のメンソレータムはロート製薬に譲渡された。その後、数多くの建造物を遺した創業者ヴォーリズの遺志を継いで同社は復興を果たす。