信用が価値を生み出す時代|公認会計士になるための勉強法(最終回)
公認会計士試験・受験生に向けてのメッセージ。最終回となる今回は、公認会計士に”なって”よかったことをお話します。
M&Aを語ろうというのに、なぜ『論語』なのでしょうか。「いまさらじゃないか? 古すぎるんじゃない?」と言われるかもしれません。
多くの人は勉強の一環で『論語』に少しは触れているはず。いまさらここで紹介するまでもなく、2500年も前の中国・春秋時代に生きた孔子の言葉を弟子たちがまとめていったものです。3000人ともいわれる弟子たちによって教団がつくられ、『論語』はそのテキスト、いわば「聖書」であり「教典」なのです。
なにがスゴイといって、第一は、タイトルがスゴイ。孔子がつけたわけではないのです。たとえば孟子の書物は『孟子』と題されていますが、それなら『孔子』でいいと思うものの、そうはならなかった。つまり、タイトルなどなくても絶対的な存在感を持っていたのです。生まれた段階で唯一無二の本と考えられていたからだといえます。
第二に、孔子がみずから執筆したのではないこと。
松下幸之助の語録、稲盛和夫の語録のように、さまざまな場所や場面で発せられた名言をまとめた本は、いまも私たちにとって学ぶことが多いものです。
自分で書くのではなく、多くの弟子たちの情熱によって選別され、まとめ上げられたところに価値があります。
このスゴさ、孔子の言葉に秘められたパワーは、長く中国はもちろん、17世紀には欧州に伝わって、当時イギリスからはじまった啓蒙思想に大きな影響を与え、今日までさまざまな面で影響を与え続けているのです。
公認会計士試験・受験生に向けてのメッセージ。最終回となる今回は、公認会計士に”なって”よかったことをお話します。
31歳で働きながら公認会計士を目指した筆者の独断と偏見による試験合格に役立つ勉強法を連載形式でお届け。今回は論文式科目の「租税法」についてアドバイスする。