「事業承継士」ってどんな人?
近年、経営者の高齢化や後継者不足の深刻化により、事業承継問題が我が国の重要課題となっています。事業承継支援の専門家として認められる資格の中から今回は民間資格の「事業承継士」をご紹介します。
公認会計士になるための「勉強法」というのは、人それぞれである。本コラムでは、31歳で働きながら公認会計士を目指した筆者の独断と偏見による試験合格に役立つ勉強法を書いていきたい。
まずは自己紹介から・・・
大学は教育学部(第一種小学校教員免許、日本語教師免許保持)。公認会計士を目指すまで「公認会計士」という職業も「簿記」すら知らなかった。31歳の時、上海で働きながら公認会計士試験の「簿記入門」をスタート。34歳で日本に帰国し、東京の受験予備校に通う。翌年34歳で5度目の挑戦となる短答式試験に合格。同年35歳で論文式試験に一発合格した遅咲きの公認会計士・税理士。
かつての私のように「公認会計士」ってなんとなく、すごいと思うけど、実際、何の仕事をするための資格なのか?「税理士」と何が違うのか?はっきりとは分からない方も多いのではないかと思う。
「公認会計士」と名乗ることができるのは、会計士試験に合格するなどの条件を満たした上で、公認会計士に登録した人だけである。そのしくみは、医師、弁護士、税理士、司法書士などの、その他の様々な資格と変わらない。
それでは、税理士はどうだろう。税理士の主な仕事は、税務代理と呼ばれるもので、他人の税金の申告・申請、税務書類の作成などを他人の代理として行っている。税理士となる資格を有する者は、税理士試験に合格した者だけでなく、(試験を受けることなく)弁護士、公認会計士なども税理士登録ができる。
一方、公認会計士の独占業務は、「財務諸表監査」と呼ばれるものであり、これは、企業の財務書類を監査又は証明することである。会社の決算書に対して、適正に作成されていると「お墨つき」を与える会計監査業務を行うことができる。
公認会計士の独占業務は財務諸表監査であるが、実際には、その他の仕事をしている公認会計士がたくさんいる。
監査法人などで会計監査をしている人の他に、会計事務所などで会計や税務の仕事をしている人、税理士登録をして税理士業務をメインにしている人、会社の経営コンサルティングを始めとするコンサルティングの仕事をしている人、一般企業で経理や財務の仕事をしている人、金融やIT関連の仕事をしている人、起業をしている人、会社の監査役や社外取締役などの会社役員の人などさまざまだ。
そこで気になるのが、過酷な受験勉強が資格取得後の実務で役立つのかという点だ。
公認会計士試験には、「短答式」と「論文式」があり、短答式の試験科目は全部で4科目ある。
方式 | 科目名 |
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短答式科目(必須) | 財務会計論、管理会計論、監査論、企業法 |
論文式科目(必須) | 会計学、監査論、企業法、租税法 |
論文式科目(選択) | 経済学、経営学、民法、統計学 |
なお、論文式には選択科目があり、4科目の中から1科目を選択する。
https://www.fsa.go.jp/cpaaob/kouninkaikeishi-shiken/index.html (公認会計士試験)
https://www.fsa.go.jp/cpaaob/kouninkaikeishi-shiken/sikou31.pdf (平成31年度試験日程)
専門分野・職種など | 実務に役立つ主な試験科目 |
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監査 | 会計学※1(財務会計論・管理会計論)、監査論、企業法 |
経営コンサルティング | 会計学(財務会計論・管理会計論)、経営学、経済学 |
経理・財務 | 会計学(財務会計論・管理会計論)、租税法 |
新規上場支援(IPO) | 会計学(財務会計論・管理会計論)、監査論、企業法 |
事業再生 | 会計学(財務会計論・管理会計論)、経営学、企業法 |
M&A | 会計学(財務会計論・管理会計論)、経営学、租税法 |
企業評価・株価算定・DD | 管理会計論、経営学、統計学 |
研究職※2 講師 | 会計学(財務会計論・管理会計論)、監査論 |
※1 短答試験の「財務会計論」と「管理会計論」の2科目の内容が、論文式試験の「会計学」という1科目の内容になる。
※2 大学教授など。監査論などを教える場合
免除申請できる者 | 免除申請できる科目 |
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税理士有資格者 | 短答式試験の財務会計論、論文式試験の租税法 |
不動産鑑定士 | 論文式試験の経済学または民法 |
会計専門職大学院修了者 | 短答式試験の財務会計論・管理会計論・監査論 |
司法試験合格者 | 短答式の全部免除、論文式試験の企業法・民法 |
実務経験が通算7年以上ある者 | 短答式試験の財務会計論 |
注)その他大学教授、博士学位取得者なども対象である
https://www.fsa.go.jp/cpaaob/kouninkaikeishi-shiken/qanda/index.html#menjo2 (試験免除)
このように、会計監査だけでなく様々な仕事をする公認会計士がいる理由は、「公認会計士試験」の試験内容と無関係ではない。
次回は、意外と知られていない公認会計士試験の「試験」としての特徴・特色についてみていこう。
文:細田 聖子(公認会計士・税理士)
近年、経営者の高齢化や後継者不足の深刻化により、事業承継問題が我が国の重要課題となっています。事業承継支援の専門家として認められる資格の中から今回は民間資格の「事業承継士」をご紹介します。