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短答式と論文式は、全く別の試験|公認会計士になるための勉強法4

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短答式と論文式は、まったく別の試験ーーーそれぞれの攻略法がある!

公認会計士になるための「勉強法」というのは、人それぞれである。本コラムでは、31歳で働きながら公認会計士を目指した筆者の独断と偏見による試験合格に役立つ勉強法を書いていきたい。

「短答式試験」と「論文式試験」

今回は、公認会計士試験の攻略法をみていく。現行の会計士試験には、「短答式試験」と「論文式試験」がある。短答式はマークシート方式で、1年に2回(5月と12月)実施される。論文式は記述式の試験であり、1年に1回(8月)実施される。

短答式試験の合格基準は、総点数の70%を基準として毎回、得点比率が決定される。ただし、試験科目のうち1科目につき得点比率が40%未満のものがある場合は不合格となる。論文式試験は、偏差値により採点される。合格基準は、52%の得点比率が基準となる。また短答式と同じく、1科目でもその満点の40%に満たない科目がある場合は、不合格となることがある。

苦手科目を作らないことが合格への最短の道

短答式試験にも、論文式試験にも40%という足切り基準が存在するため、苦手科目を作らないことが重要となる。また、論文式試験においては、偏差値52であれば合格であるため、全体の「平均より少し上」という基準で合格となる。そのため、他の合格者が解ける問題は必ず回答し、他の合格者が解けない問題はあえて捨てる、という戦略が有効になる。

論文式試験については、全ての科目に言えることであるが、高得点を取る必要はなく、地道に点数を重ねていくことが重要になる。全ての科目で平均点を獲得できれば、ほぼ合格となる試験だからだ。このような試験の特徴をつかんだ上で、勉強に取り組む必要があるといえるだろう。

1科目でもミスをすると合格が厳しい短答式試験

短答式では、苦手科目を作らないことが最も重要な戦略となる。マークシート方式の試験であるが、1問の得点比重が比較的大きいため、2、3問ミスをしてしまった科目が1科目でもあると、それだけで致命的になる。

〇短答式の配点例

財務会計論 28問 (うち、1問につき8点が22問)
管理会計論 16問 (うち、1問につき8点が4問、7点が4問)
監査論 20問 (各5点)
企業法 20問 (各5点)

平成30年公認会計士試験第Ⅱ回短答式試験より

理解力が問われる論述式試験

論文式試験は、科目によっては計算問題もあるが、基本的には記述式の試験である。現場で考えさせる問題が出題される傾向にあり、丸暗記では対応できない理解力が問われる試験となっている。当然であるが、マークシート方式とは異なり、記述対策が必要になる。

タイムマネジメント―――時間管理が全て

試験には制限時間があり、限られた時間内に回答することが求められる。短答式は1科目につき1時間(ただし財務会計論は2時間)、論文式は1科目につき2時間である(ただし、会計学午後は3時間)。

例えば、同じような知識を持っている人、AさんとBさんの2名がいる。Aさんは、問題1に時間をかけたが回答できず、問題2を解く時間がもう残っていなかった。一方、Bさんは、問題1は捨て、先に問題2を解いて回答した。

この場合、問題2は比較的易しい問題で、問題1は難易度が高く、ほとんどの受験生が解けいない問題のため、合否には関係ないような埋没問題であったことが考えられる。従って、Bさんの戦略が正しく、問題2に時間を費やすことが正しい判断となるだろう。

どの問題に費やすべきか、あるいはどの問題を捨てるべきかの判断を誤ってしまった場合、合否に関わることにもなる。従って、タイムマネジメントとともに取捨選択の判断も非常に重要になってくる。

時間の感覚などは、模試などで練習するしかなく、本番になってからも「現場で考える」という気持ちも重要だろう。

文:細田 聖子(公認会計士・税理士)

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