トップ > ライフ > M&Aに効く『言志四録』 >Dropbox 社員が伝授するエクセル活用術(上)事業を分析する

Dropbox 社員が伝授するエクセル活用術(上)事業を分析する

※この記事は公開から1年以上経っています。
alt
著書を手にする植山氏

 表計算ソフト「Excel(エクセル)」はビジネスパーソンなら一度は触れたことがあるだろう。しかし、エクセルの使い方についてきちんと学習して仕事に十分活用できている人は意外と少ないのではないだろうか。オンラインストレージサービスを運営するDropbox でマーケティングを担当する植山周志氏にビジネスに役立つエクセルの活用術について聞いた。


エクセルをビジネスで活用するには

――エクセルはビジネスにどう活用できるのですか。

 例えばマーケティングです。事業について様々な分析をして、どう推移しているか、どこが問題でどこが改善ポイントなのかをつかむことができます。社内のマーケティング担当者であれば、数値に基づいた説得力のある改善案を立案できます。営業マンであれば、お客さんのビジネスの問題点を把握し、解決につながる提案を立案するのに役立ちます。

――具体的にどのように分析するのですか。

 売り上げを伸ばしたいなら、以下のように構成要因を分解してトレンドを分析するのも手始めに行う分析としてはよいでしょう。

売り上げ  =  訪問者 × 購買率 × 平均購買単価 

 これに適当に数値を当てはめてみます。事業内容はインターネット通販サイトの運営です。

100,000円 = 1万人 × 1%  × 1000円

 上記の式は、月間10万円を売り上げるには、1万人のサイト訪問者のうち、1%の割合の人が平均単価1000円の商品を購入する必要があることを意味します。

 もし社長から「売り上げを10倍にしてほしい」と言われたら、あなたはどうしますか?

1,000,000円 = 5万人 × 2% × 1000円

 例えば、訪問者を5万人に増やして、購買率を2%に改善すれば、月間100万円の売り上げを達成できます。平均購買単価は商品の性質上、大きく上げるのは難しいため、1000円で据え置きとします。このように自分が影響を与えられるところ、与えられないところがはっきりわかり、売り上げ拡大のため打つべき対策が見えてきます。