信用が価値を生み出す時代|公認会計士になるための勉強法(最終回)
公認会計士試験・受験生に向けてのメッセージ。最終回となる今回は、公認会計士に”なって”よかったことをお話します。
日本でも長く漢文の教育として、道徳教育のテキストとして活用されおり、現在でも中学、高校ではテストに出ます。みなさんも、きっとテスト対策として要点を学んだ記憶があるはず。「子曰く」とくれば、もう『論語』となるわけです。
だからこそ「なんでいまさら」と思ってしまうのも仕方がないことです。
「ビジネスならむしろ『孫子』や『五輪書』じゃないか?」
もちろん、それもいいのですが……。
いまなお、多くの経営者たちは、『論語』を大事にしています。その源は、渋沢栄一に遡ります。日本の産業を育てた父とも言われる渋沢栄一は、論語に基づいた経営を実行していました。
名著『論語と算盤』にあるように、経営や経済(算盤)と道徳(論語)は関係ないだろうと思われがちですが、渋沢栄一はズバリ「自分の算盤は論語でできている」と言うのです。そして算盤と論語は遠いようで近いものだと。融合させなければならないのだ、と。
なぜなら、経営で相手にするのは人だからです。
算盤で弾かれる数字を生み出しているのは、すべて人です。社員、顧客、家族、ありとあらゆるステークホルダー、そこにいる人々。結果としてそれは数字で表されるのですが、数字だけを見ていたのでは経営はできません。
経営は人を見なければできません。その結果として数字なのです。その逆はありません。
M&Aは、事業と事業、経営と経営の関係の中で生じる動きであり、多くの経営数字が飛び交う世界です。でも、その数字はすべて人によって生み出されたものであることを忘れてはいけないのです。
公認会計士試験・受験生に向けてのメッセージ。最終回となる今回は、公認会計士に”なって”よかったことをお話します。
31歳で働きながら公認会計士を目指した筆者の独断と偏見による試験合格に役立つ勉強法を連載形式でお届け。今回は論文式科目の「租税法」についてアドバイスする。