科目別勉強法(租税法)|公認会計士になるための勉強法(10)
31歳で働きながら公認会計士を目指した筆者の独断と偏見による試験合格に役立つ勉強法を連載形式でお届け。今回は論文式科目の「租税法」についてアドバイスする。
首都大学東京経済経営学部の松田千恵子教授は、M&Aやビジネスプランなどをテーマに経営戦略ゼミを指導している。現在ゼミ生は18人で、4つのグループに分かれてビジネスプランの作成に取り組んでおり、戦略論だけでなく数字や組織なども考えて、きっちりと事業が回るようにビジネスプランを仕上げるという。
松田教授はM&Aを総合芸術と位置付ける。企業価値評価で値段をつけ、資金を調達するだけでなく、事業としてなぜM&Aが必要なのか、全社のポートフォリオの中でどのような位置づけなのか、経営管理をどうするのか、企業統治をどうするのか。「そういったことを総合的にやりたい」という。
ゼミは前期に、M&Aを実施した企業について調べ、後期はゼミ生自身がやりたいことを考えながら、ビジネスプランを作り上げていく。M&Aとビジネスプランニングは別物ではなく、事業としての姿がトータルで描けないと、起業もM&Aも実現できない。そのための基礎をゼミで身に付ける。
松田教授はM&Aは大きく3つに分かれているという。1つは大企業のグローバルM&A、もう1つは件数が最も多い事業承継M&A、そして最近増えてきたのがベンチャーやスタートアップ企業のエグジットとしてのM&Aという。
スタートアップ企業によるIPO(新規株式公開)とM&Aの動向を常にチェックしており、「最近はM&A が圧倒的に増えてきた。恐らくこの流れはこのまま続くと思う」と分析する。その理由としてIPOは多くのコストがかかり、その負担が重い。創業者利益を追求したいというのであれば、M&Aの方が手軽で早いためと見る。
松田教授はゼミ生の中から起業する人が出てくることを期待するとともに「すぐに起業するのでなくても、企業に入ってビジネスプランニングをやるスキルを持っていれば、自分で何かやる時にハードルが低くなる」とゼミ生を応援する。
首都大学東京のゼミは、必須ではなく希望制のため、やりたい人だけが参加する。松田ゼミの倍率は3倍ほどで、松田教授が自ら面接をして「本当にやりたい優秀な人だけを受け入れている」と、ゼミ生への配慮も忘れない。
31歳で働きながら公認会計士を目指した筆者の独断と偏見による試験合格に役立つ勉強法を連載形式でお届け。今回は論文式科目の「租税法」についてアドバイスする。