「一度は見ておきたい経済・金融映画&ドラマ」連載100回を記念して、M&Aをテーマにした映画でおすすめの作品を、M&A Onlineに寄稿経験のある有識者、外部ライターなどにアンケートしたところ、以下の3作品がランクインした。
まだ見ていない人はもちろんのこと、鑑賞済みの人も改めてみると新しい発見があるかもしれない。

金融映画の金字塔といえば、オリバー・ストーン監督の『ウォール街』だろう。M&A Online編集部のアンケートでも文句なしの第1位となった。M&A専門家から映画ライターまで老若男女、幅広い層で支持を集めた。
作品の舞台は1985年のニューヨーク、ウォール街。野心あふれる若手証券マンのバド・フォックス(チャーリー・シーン)は、憧れの存在である凄腕の投資家ゴードン・ゲッコー(マイケル・ダグラス)に出会い、ゲッコー流のウォール街の生き方を学んでいく。
名セリフの「強欲は善です(Greed is good.)」と“欲”が人類進歩の推進力だと発言する場面は、1980年代にウォール街で活躍した米投資家アイヴァン・ボウスキーがカリフォルニア大学バークレー校の卒業式でスピーチした内容をもとにしたという。
ゲッコーが乗っ取りを狙うテルダー製紙の株主総会。筆頭株主として発言の場を与えられたゲッコーのスピーチは、まさに今話題のアクティビスト(物言う株主)の独壇場といってよいだろう。
『ウォール街』のヒットを受け、ゲッコーに憧れて投資銀行に入社する若者が続出したほどだが、株式ブローカーを父親に持つストーン監督は、「ゴードン(ゲッコ―)側の人間ばかり増やしてしまった事は大変遺憾だ」と後に述べている。
また、乗っ取り屋のラリー・ワイルドマン(テレンス・スタンプ)は、グッドイヤーにグリーンメール攻撃を仕掛けたジェームズ・ゴールドスミスをモデルにしたと言われている。
ーー M&Aを携わる人すべてにおすすめです(経営者)
ーー「欲は善です」が飛び出す株主総会のシーンは、一見の価値ありです(映画ライター)
あらすじ・詳細はこちら→ 第1回『ウォール街』

第2位は、2009年公開の映画『ハゲタカ』。テレビドラマ同様、劇場版もドキュメンタリータッチで描かれており、M&A Online編集部のアンケートでは、30-40代男性からの支持が多かった。
本作品は、高視聴率だった同名のNHKの連続ドラマから4年後を舞台に展開される。映画の製作中にリーマン・ショック(2008年9月)が起きたため、当時進められていた脚本を大幅に書き換え、時代に即した内容に変更したという。
主人公の鷲津(大森南朋)は、企業再生家としてアカマ自動車の役員を務める芝野(柴田恭兵)から、外資系ファンドに狙われているアカマ自動車を救ってほしいと助けを求められる。敵対的TOBを仕掛けてきた中国系ファンド「ブルー・ウォール・パートナーズ」に対し、鷲津ファンドはアカマのホワイトナイトとしてTOB合戦に加わる。
映画終盤、「見に行きますよ、焼け野原を。資本主義のね」という鷲津のセリフが印象的だ。
ーー日本のM&A映画の金字塔。サブプライムローン問題、リーマンショックなども盛り込んでいる(個人投資家)
ーードラマも含め、経済・金融用語を知るにはうってつけ。私もこれで勉強させてもらいました(映画ライター)
あらすじ・詳細はこちら→ 第12回『ハゲタカ』

第3位にランクインしたのは、『金融腐蝕列島 呪縛』(1999年)。高杉良の小説「金融腐蝕列島」シリーズ全5作品のうち2作目にあたる。なお、シリーズの3作目『金融腐蝕列島 再生』は2002年にBS-iでドラマ化されている。M&Aがテーマではないが、メガバンク再生を扱った作品であったため、ランクインした。
作品は、バブル崩壊後の1997年に発覚した第一勧業銀行総会屋利益供与事件をモデルに、腐敗したメガバンクを再生すべく立ち上がった中堅行員らの奮闘を描く。
1997年、朝日中央銀行(ACB)による総会屋への利益供与が発覚。ACB本店は東京地検特捜部からの強制捜査を受けることとなり、上層部を含めACBはパニックに陥る。そんな中、責任逃れを模索するだけの上層部に危機感を感じた企画部の北野浩(役所広司)らミドル四人組が、旧態依然とした金融業界の悪習を断ち切るべく、ACB再建に乗り出す。
タイトルの「呪縛」は、当時第一勧業銀行の頭取であった近藤克彦氏が記者会見で不祥事の原因について「呪縛が解けなかった」と発言したことからきている。
ーー 証券取引委員会(SEC)の怖さがよくわかる(匿名希望)
ーー バブルを知らない世代にも観て欲しい(金融機関勤務)
あらすじ・詳細はこちら→ 第15回『金融腐蝕列島 呪縛』
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