『チャーリーズ・エンジェル(2000年)』は1970年代後半にアメリカのABCネットワークで放映され、人気を博したテレビドラマを映画化したもの。大富豪チャーリー・タウンセンドの探偵事務所に所属する3人の女性エージェントはエンジェルと呼ばれ、男性顔負けのアクションで事件を解決していく。所長のチャーリーは音声のみで指示や連絡をし、ジョン・ボスレーがエンジェルたちをバックアップする。
ノックス・テクノロジー社の創立者、エリック・ノックスが誘拐された。同社の美人社長、ビビアンの話から、犯人として6カ月前にノックス・テクノロジー社の買収に失敗したレッドスター社のオーナー、ロジャー・コーウィンが浮上。
エリックとともに完成間近の<音声識別ソフト>も持ち去られ、これが世界最大の通信衛星会社レッドスター社の手に渡ると、GPS機能と結びつけ、個人の位置情報をすべて握られてしまう。エンジェルたちは得意の変装を活かして、潜入捜査を開始。果たして、敵の本当の狙いとは?
「チャーリーズ・エンジェル」が作られるとなると、誰がエンジェルになるのかが話題になる。2000年版では、まずドリュー・バリモアがエンジェルを射止め、プロデュースにも加わり親友のキャメロン・ディアスを誘ったと言われている。3人目のエンジェル選びは難航したようだが、ルーシー・リューに落ち着いた。
本作は謎解きよりもお色気たっぷりのアクションで魅せる。前半は3人のエンジェルたちが端役男性たちを次々に悩殺していくのだが、コミカルに進むので女性が見ても楽しい。キャメロン・ディアスが髪を揺らしながら振り向いた笑顔は最高にハッピーな気分にしてくれる。
もちろん、アクションも見逃せない。冒頭から大胆なスカイダイブを繰り広げる。レーシングカーでカーチェイスをし、マーシャル・アーツで男たちを次々となぎ倒す。
エンジェルたちにアクションを指導したのは『マトリックス』の袁祥仁(ユエン・チュンヤン)。ワイヤーアクションを当時の最新式VFXで見せているので迫力満点である。
作品を彩るのは1970-80年代に流行した楽曲の数々。アーティストのミュージック・ビデオやCMを手がけてきたマックG監督は、ワム!の「Wake Me Up Before You Go-Go」、スパンダー・バレエの「True」やハートの「Baracuda」などの音楽をふんだんに使って盛り上げる。マイケル・ジャクソンの「ビリー・ジーン」に合わせてドリュー・バリモアが見せるムーンウォークも必見だ。
深みのある作品ではないが、誘拐されたエリック・ノックスを演じたサム・ロックウェルの豹変ぶりは見事。ジョン・ボスレー演じたビル・マーレイのコミカルぶりなど男性俳優たちは演技で脇を支える。
98分という短い尺の中でテンポよくストーリーが展開し、気持ちよくラストを迎える。NetflixやAmazonプライムビデオなど複数のサブスクリプションの定額見放題に入っているので、仕事で疲れた夜の気分転換にいいかもしれない。
なお、2003年に続編『チャーリーズ・エンジェル フルスロットル』を公開し、全米初登場1位の興行成績を記録した。2019年にはドリュー・バリモアが製作総指揮をつとめ、新メンバーで続編を映画化している。
文:堀木 三紀(映画ライター)
<作品データ>
『チャーリーズ・エンジェル』(2000年)
監督: マックG
脚本: ジョン・オーガスト、ライアン・ロウ
音楽: エド・シェアマー
出演:キャメロン・ディアス、ドリュー・バリモア、ルーシー・リュー、ビル・マーレイ、ティム・カリー、クリスピン・グローヴァー、ケリー・リンチ、サム・ロックウェル、ルーク・ウィルソン、マット・ルブランク、トム・グリーン、LL・クール・J、声・ジョン・フォーサイス

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