『シン・ウルトラマン』の興行的成功が現実味を帯びてきたところで気になるのが二つの“シン”の続編企画。
一つはすでに製作中の『シン・仮面ライダー』。仮面ライダー生誕50周年企画の目玉作品として庵野秀明監督による完全新作映画の製作がアナウンスされ、すでに池松壮亮、浜辺美波、柄本佑というメインキャストも発表済み、公開も2023年の3月に決定しました。
映画市場での立ち位置を見ると、ウルトラマンブランドより仮面ライダーブランドの方がヒットしているという実績があるので、『シン・ウルトラマン』の興行収入から見ると同程度か、それ以上の数字を『シン仮面ライダー』は見込んでもいいのではないかと思います。
もう一つの続編企画が、今回劇場で先行発売された書籍「シン・ウルトラマンデザインワークス」に掲載された庵野秀明監督による企画書にある『シン・ウルトラマン』の続編案。
この企画書には『続・シン・ウルトラマン』『シン・ウルトラセブン』という3部作構想が明記されています。
別コメントでは『シン・ウルトラマン』の続編を作るとなると、特撮部分の比重が増え、予算がかなり膨れるのではないかとも語られています。今回の『シン・ウルトラマン』の出来次第という感じでしたが、『シン・ウルトラマン』の出足が好調で、ある程度の数字が見込めるとわかってきたので、内々にGOサインも出ているのかなとも思います。
庵野秀明監督自身がちょっとオーバーワーク気味なので、すぐに動けるかわかりませんし、予算の規模も見通せない部分があるのは確かですが、思い切って二部作をまとめて撮り上げて、二部作連続公開という形で予算・スケジュールを圧縮するという方法もあるかもしれません。
どちらにせよ“シン”の続編企画はまだまだ続いていくことは確かなことです。また、新たな“シン・〇〇”の可能性も「庵野秀明展」の展示作品として楽しみに待ちたいと思います。
文:村松健太郎(映画文筆家)