『トップガン マーヴェリック』は映画館で観るべし!

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『トップガン』が36年ぶりに還ってくる!

1986年に公開され、トム・クルーズのブレイクポイントとなった故トニー・スコット監督作品『トップガン』。米国海軍航空基地にある戦闘機搭乗員養成学校、通称「トップガン(TOP GUN)」を舞台にド迫力の空中戦(アメリカ海軍全面協力)と、青春劇をミックスした作品が世界中で大ヒット。それまで青春スターの一人に過ぎなかったトム・クルーズを一気に看板スターへと押し上げました。

それから36年。まさかまさかの続編『トップガン マーヴェリック』が2022年5月27日(金)に公開となります。もちろん主人公のピート“マーヴェリック”ミッチェル(意外と役名は知られていない)を演じるのはトム・クルーズ。ちなみに劇中で登場する“マーヴェリック”とか“アイスマン”という呼び名はパイロット同士が持ち合う特殊な愛称のことで、「TACネーム」と言われているそうです。

どんなストーリー?

型破りなところは健在のマーヴェリック。数々の無鉄砲な行動で海軍内では良くも悪くも有名人。かつてトップガンで腕を競い合った“アイスマン”ことトム・カザンスキーは海軍大将にまで上り詰めていて、昇進を拒み現場(現役)にこだわり続けるマーヴェリックをそれとなくフォローしてくれています。

そんな、マーヴェリックにとある極秘ミッションを遂行するため、古巣のトップガンに出向くよう“アイスマン”から指令(=友人としての頼み)が下ります。

最初は自分がパイロットを務めるのかと思っていたマーヴェリックですが、実際にはトップガンを主席で卒業生した腕利きパイロットたちの教官を務めろと言う話でした。選りすぐりの精鋭の中には、かつてトップガン在籍時代に事故で命を落とした親友“グース”の息子、“ルースター”の姿もありました。

36年ぶりの主演続編は前代未聞

これまでもシルヴェスター・スタローンの「ロッキー」(最長16年)や「ランボー」(最長20年)、ハリソン・フォードの「インディー・ジョーンズ」(最長19年)など長い空白期間を経て同じ役に再登板した例もなくはないのですが、それでも今回の『トップガン マーヴェリック』のトム・クルーズは主役の再登板ですから、異例中の異例です。

ハリソン・フォードが「スター・ウォーズ」のハンソロ(最長32年)や「ブレードランナー」のデッカード(最長35年)でロングスパンを記録していますが、どちらも続編では脇役でした。

往年の大スター・ポール・ニューマンが念願のアカデミー賞を受賞した1986年公開の『ハスラー2』(なんと、トム・クルーズが共演しています)も25年ぶりの同役主演で大きな話題を呼びましたが、今回『トップガン マーヴェリック』のトム・クルーズはそれを10年以上も上回ってきました。

新旧のハリウッドスターを眺めてみても、こんなことができるのはトム・クルーズ以外にはいないのではないでしょうか。

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続編ブームに乗って

トム・クルーズがこんな芸当をやって見せられるのは、彼がトップスターとしてキャリアを40年近くキープし続けていることと、ハリウッドで続編企画が通り易いという環境もあると思います。

ところで、この続編というものは、意外と歴史の浅い文化でもありました。厳密に言うと、映画草創期からジャンル映画の分野では、続編は山の様にありました。例えばホラーやサスペンス、西部劇を含むヒーローものは、今のテレビドラマ感覚で“つづく”で終わることが前提で、当然の様に続編が作られていました。

一方で、賞レースに絡む文芸作品やトップスターが出演する大作には、続編という発想がなかったのです。この風潮を大きく変えたのは、1974年の『ゴッドファーザーPARTⅡ』と言われています。

それまでサイレントやモノクロだった大作をサイレントからトーキーへ、モノクロからカラーへとリメイクすることはありましたが(『ベン・ハー』『十戒』など)、アカデミー賞を獲った(『ゴッドファーザー』は3部門受賞)作品の続編を作るという発想は、かなり異例なことでした。監督のフランシス・フォード・コッポラも最初は抵抗があったようですが、蓋を開けてみればアカデミー賞で倍増の6部門受賞を果たしました。

これ以降、大作・スター映画でもアイデアさえよければシリーズ化しても良いという風潮が生まれ、現在の続編企画の量産体制につながっています(これはこれで粗製乱造を産んでいるという意見もあり、賛否両論なのですが…)。しかし、そんな文化でもない限り、36年ぶりに同じ俳優を主演に据えて大作映画を撮ろうとはならなかったことも確かです。

IMAXで観てほしい

筆者は機会に恵まれ、一足先にIMAXシアターでの試写に参加しました。結論から言えば、これはまさにIMAXで観るべき作品と言えます。

今回も米軍全面協力のもとに作られていて、ご時世的にプロバガンダ風にとられなくもないのですが、厳しい訓練を経てトム・クルーズをはじめとする俳優陣を戦闘機(実機)に乗せ、さらにコックピットに特殊なIMAXカメラを6台もセッティングして撮られた空中戦は迫力満載。まさに、映像への没入感を最大の売りにしているIMAXに最適な映画としてイチオシの作品です。

ストーリーとしては青春群像劇だった前作から、完全にトム・クルーズのスター映画になっており、監督・脚本もトム・クルーズ組です。

ただ、今回のトム・クルーズですが、「あれ、こんなにお芝居上手だったっけ?」と思わせるほど、セリフに頼らない表情で語るお芝居で、正直びっくりしました。

もちろんヴァル・キルマー演じる“アイスマン”の登場や、ケニー・ロギンスのヒットナンバー「デンジャー・ゾーン」が流れたりと、旧作ファンへの目配せもしっかりとしていますが、旧作から必要な引き継ぎ情報は『トップガン マーヴェリック』の中でちゃんと説明されており、前作の予習はなくても楽しめるかと思います。

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近年、トム・クルーズの主演作品は北米以外の地域の方が興行収入の占める割合が大きくなるという傾向があります。その傾向を受けて、トム・クルーズは海外市場を意識した大々的なプロモーションツアーを組んで世界を渡り歩いています。

今回の『トップガン マーヴェリック』はかなり愛国精神の強いトムのことなのでどうなるかわかりませんが、日本への来日も予定されています。日本での“トム・クルーズブランド”は今でも根強いものがあります。トムもそれをわかっていて、今回の来日で24回目(4年ぶり)となります。

ハリウッド大作の大本命ともいえる『トップガン マーヴェリック』は2022年5月27日(金)公開です。普段はアマゾンプライムやネットフリックスなど動画配信サービスを利用している方も、大迫力のスカイ・アクションをぜひ大画面でお楽しみください!!

文:村松 健太郎(映像文筆家)/編集:M&A Online編集部

<作品データ>
タイトル:『トップガン マーヴェリック』
原題:Top Gun: Maverick
公開表記:2022年5月27日(金)
マルシー:© 2022 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.
配給:東和ピクチャーズ

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村松 健太郎 (むらまつ・けんたろう)

2002年から映画館勤務で業界入り。2016年頃から映画文筆家として活動を開始。脳梗塞を患ったために杖片手に試写室や映画会社を行ったり来たりしています。映画祭の審査員やインディーズ映画の宣伝などもしていますが、興行出身ということもあって、少しでも多くの人の足が劇場に向かってほしいと願う日々です。年間300本の新作とそれ以上の過去関連作を見て回っています。 

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