最大のセキュリティホールは人である 映画『ファイヤーウォール』

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家族を人質に取られた地方銀行幹部の奮闘を描いたサスペンスムービー『ファイヤーウォール』(2006)。家族の命を守るため、自らが構築した鉄壁のセキュリティシステムに挑むセキュリティの専門家を、ハリソン・フォードが体当たりで演じる。

あらすじ

ジャック・スタンフォード(ハリソン・フォード)は、シアトルを拠点とする中堅銀行、ランドロック・パシフィックに勤務するセキュリティ部門の幹部。大手銀行のアキュウェストとの合併を控えていた。

ある夜、ジャックは旧知の同僚であるハリーから若き実業家のビル・コックス(ポール・ベタニー)を紹介される。ビルはジャックの構築したセキュリティシステムを使った協業を持ちかけるが、乗り気ではないジャックはその話を保留し、自宅へ戻ろうとする。しかしジャックの車に乗り込んできたビルから知らされたのは、ビルの仲間によりジャックの家族が監禁され、人質に取られているという事実だった。

ビルはジャックに銀行のセキュリティを突破し、顧客の預金から合計1億ドルを奪うよう要求する。しかしジャックをもってしても、ランドロック・パシフィックの強固なセキュリティは突破できない。監視を受けながら出社したジャックはなんとか通報を試みるが失敗。ビルはジャックの家族に危害を与えることで、ジャックにさらなる協力を強要するが…。

最大のセキュリティホールは人間である

1100もの支店を抱えるアキュウェスト銀行から高く評価されたジャックの鉄壁なセキュリティシステム。しかし皮肉なことにランドロック・パシフィック銀行にとっては、セキュリティを構築したジャック自身がセキュリティホールとなってしまう。というのも防御を突破したのは、ジャック本人によるアナログな画面コピーだったのだ。

合併時の混乱により顧客の預金に出た存在を許容すると発言するアキュウェスト銀行に対し、ジャックは真っ向から否定するほど高い倫理観を持っていた。そのジャックが家族を人質に取られたことで、オンライン強盗の要求を拒絶できない。

人間が作り、人間が関わり続ける以上、システムが抱える弱点は人間なのだという事実を認識せずにはいられない。

ハリソン・フォードのアクションシーンも

本作の公開は2006年。合併の目的がネットバンキングへの進出とされる程度に、テクノロジーやインターネットサービスは発展していない時代が背景にある。原題・邦題ともに「ファイヤーウォール(FIREWALL)」であることから、高度なハッカーによる頭脳戦を期待する人も多いだろう。

しかし本作に登場するセキュリティの突破手段は、ファックスの読み取り部によりコピーした画面をiPodに記憶させるという、なんともアナログな攻略法。ビルの口座情報の記録も画面を直接撮影するという物理的な対応がなされた。

ジャックとビルの対決にも電子情報戦の形跡はなく、拳とツルハシによる肉弾戦で決着を迎える。ハリソン・フォードらしいアクションはファン好みといえるだろうが、映画のオチとしてはどうだろうか。デジタルサスペンスは期待しない方がよいだろう。

文:M&A Online編集部

<作品データ>
原題:FIREWALL / 邦題:ファイヤーウォール
監督:リチャード・ロンクレイン
出演:ハリソン・フォード、ポール・ベタニー、バージニア・マドセン、メアリー・リン・ライスカブ
2006年/アメリカ/106分

ファイヤーウォール

M&A Online編集部

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