金融庁は、2026年8月3日、「金融商品取引業等に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」(「本改正」)の公布及びパブリックコメントの結果(「本パブコメ」)を公表しました。
これは、2026年4月10日に公表された「金融商品取引業等に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令(案)」に係るパブリックコメントの募集手続を踏まえたものです。
本改正は、2025年9月に公表された日本証券業協会・金融庁共催「スタートアップ企業等への成長資金供給等に関する懇談会」の報告書における提言を踏まえ、特定投資家の移行要件のうち平均取引頻度の要件に関して、現行の「1ヶ月当たり4件以上」を「1年当たり1件以上」に見直すことで、特定投資家の移行要件を緩和するものです。
本パブコメでは、「取引の『質』を担保する文言に修正...すべき」との意見に関し、「特定投資家へ移行しようとする投資家は、特定投資家の要件を形式的に満たす場合であっても、金融商品取引業者等によって、投資家の知識・経験・財産の状況・投資目的に照らして、特定投資家として取り扱うことがふさわしいか否か判断される中で、過去の取引内容についても適切に考慮されるべき」との考え方が示されています。
また、本改正と併せて、特定投資家による投資の活性化を図る観点から、特定投資家に該当し得る者の範囲について更なる明確化を図るため、「金融商品取引業等に関するQ&A」が改訂され、「他の非上場会社やベンチャーキャピタル等への投資経験が1年以上ある非上場企業の役員(取締役・監査役・執行役)等」についても、特定投資家の移行要件を満たし得ることが示されています。
本改正は、公布日付で施行されています。本改正により特定投資家向け銘柄制度(J-Ships)の裾野がさらに拡大されることになると考えられるため、その実務動向に注視が必要です。
パートナー 鈴木 克昌
アソシエイト 橘川 文哉
アソシエイト 相﨑 喜敦
森・濱田松本法律事務所 Client Alert 2026年9月号(第153号)より転載
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