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公開買付制度・大量保有報告制度に関する金融商品取引法改正案の概要

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2024年3月15日に、第213回国会において、金融商品取引法及び投資信託及び投資法人に関する法律の一部を改正する法律案が提出されました。この法律案は、公開買付制度・大量保有報告制度等ワーキング・グループ報告の提言に基づき、①公開買付制度及び②大量保有報告制度の改正を盛り込む内容となっております。

①公開買付制度に関し、市場内取引(立会内)もいわゆる「3分の1ルール」の適用対象にするほか、企業支配権に重大な影響を与えるか否かの閾値を議決権の「3分の1」から「30%」に引き下げることが提案されています。本法案は市場内取引を通じた非友好的買収事例の増加等を踏まえたもので、本法案が成立した場合、公開買付規制の適用対象取引が拡大することになります。なお、本法案では、いわゆる「急速買付規制」の廃止も併せて提案されています。

②大量保有報告制度では、「共同保有者」の範囲に関し、複数の投資家が「経営に重要な影響を与えるような合意」を行わない限り、「共同保有者」に該当しないことを明確化することが提案されています。これにより、配当方針や資本政策の変更といった、企業支配権に直接関係しない提案を共同して行う場合等において当該提案を行う投資家を「共同保有者」から除外することが想定されています。

2006年以降、公開買付制度・大量保有報告制度について大きな改正はなされておらず、仮に本法案が成立した場合これらの改正は M&A 実務に大きな影響を与えることが 見込まれます。上記ワーキング・グループ報告の提言内容を含め、具体的な改正内容は 本法案成立後の政令改正等を待つことになるため、今後の動向に引き続き注視が必要です。

パートナー 大石 篤史
アソシエイト 藤井 啓樹

森・濱田松本法律事務所 Client Alert 2024年4月号(第124号)より転載

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