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金融審議会「市場制度ワーキング・グループ」、不公正取引規制の強化について議論

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金融庁は 2025年9月18日、金融審議会「市場制度ワーキング・グループ」(第 1 回)を開催し、不公正取引規制の強化に関し議論を行いました。論点は、①インサイダー取引規制における「公開買付者等関係者」範囲の見直し、②課徴金制度の対象・算定方法の見直し、③調査権限等の拡充等です。

「公開買付者等関係者」範囲の見直しについて、現行制度では規制から漏れ得るケースがあることから、範囲拡大の必要性が提示されております。具体的には、未公表の内部情報に「特別の立場」で接する者を、現行の関係者と同等の内部者として扱うことの必要性が論点化されております。

課徴金制度については、他人名義口座の悪用や HFT(高速取引行為)による不公正取引への対応として、課徴金水準の引上げ・対象拡大、新たな取引形態に即した算定方法の見直しが示されています。特に、高速取引行為では1取引ごとでは少額の利益を得る場合が多いこと、またポジションを日中に解消することが多いという性質に基づき、現状制度下における1万円未満の課徴金は切捨処理、及び課徴金の終値仮定の適否に関する論点が明示されています。

調査権限については、効果的・効率的な検査・調査実施のため、調査協力に関する出頭命令権限の付与、金融商品取引業の無登録業者に対する調査権限の創設等が検討事項とされています。

公開買付け等の実務に影響を与える議論であり、当該ワーキング・グループの動向について今後も注視する必要があると考えられます。

パートナー 大石 篤史
アソシエイト 上村 莉愛

森・濱田松本法律事務所 Client Alert 2025年10月号(第142号)より転載

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