M&A:中小企業庁、改訂版中小M&Aガイドラインを公表
中小企業庁は、中小M&A ガイドラインの初版の公表から3年程度経過し、新たに見えてきた課題に対応するため、2023年9月、中小M&A ガイドラインの改訂版を公表しました。
金融庁及び証券取引等監視委員会が、2023年12月8日、知る前契約・計画の要件及び株式報酬に係るインサイダー取引規制の適用に関し、インサイダー取引規制に関するQ&Aに「応用編(問6~問8)」を追加しました。
M&Aに関する改正としては、応用編(問 6)の追加が注目されます。応用編(問 6)では、上場会社の役職員等が、自社や取引先の株式を売買するための契約を結び又は計画を策定した後に重要事実を知った場合について、上場会社の役職員等の会社関係者が、外形上は重要事実を知る前に契約を結び又は計画を策定したとしても、その後に知る未公表の重要事実の内容に応じて当該契約・計画に基づく売買等を実行するか中止するかを選択できるような場合、当該契約・計画に基づく売却は、インサイダー取引規制の適用除外の対象にはならない旨が示されています。
インサイダー取引規制において、売買等を行う時点において未公表の重要事実を知っていたとしても、「知る前契約」の履行又は「知る前計画」の実行として当該売買等を行う場合は、当該重要事実を知ったことと無関係に行われる売買等であることが明らかといえることから、適用対象外とされておりますが(金商法 166 条 6 項 12号)、上記Q&Aはかかる適用除外規定が適用される範囲の明確化を図るものと理解されます。
以上のように、知る前契約・計画を定めるにあたっては、その内容について、慎重な検討が必要になるといえます。
<参考資料>
金融庁、証券取引等監視委員会「インサイダー取引規制に関する Q&A」
パートナー 大石 篤史
アソシエイト 安原彰宏
中小企業庁は、中小M&A ガイドラインの初版の公表から3年程度経過し、新たに見えてきた課題に対応するため、2023年9月、中小M&A ガイドラインの改訂版を公表しました。