内閣府の規制改革推進会議、M&Aの際に発生する「のれん」の償却方法の検討を含む答申を公表
内閣府の規制改革推進会議は、5月28日、M&Aの際に発生する「のれん」の会計処理の在り方の検討を含めた「規制改革推進に関する答申」(「本答申」)を公表しました。
東証は、2025年4月23 日、外国投資信託等に組み入れられている株式等についても、原則として、流通株式として取り扱う旨の見解を公表しました。
従前、上場維持基準の一つである流通株式比率について、10%以上保有する主要株主が所有する株式数は流通株式数に該当せず、例外的に、国内の投資信託等に組み入れられている株式等については、10%を超過しても流通株式として扱うこととされていました。もっとも、かかる例外規定が外国籍ファンドにも適用されるか不明確であり、外国籍ファンド保有分の株式は、固定株式と扱われる可能性が存在していました。
今般の見解発表により、外国投資信託等にもかかる例外規定が適用され、原則として、流通株式として取り扱うことが明確化されました。外国投資信託等の出資者が小口保有である(大要、外国投資信託等組入株式の数が上場株式数に占める割合×当該外国投資信託等の出資者のうち最大の出資者が占める割合が10%未満の場合)ことが確認されれば、流通株式として取り扱うこととされています。また、「投資権限又は議決権行使指図権限を有する者や名義株主の協力が得られず、」「取引所の審査に必要な情報が提供されない場合」は、外国投資信託等の各出資者が小口保有であるとみなすとされており、上場会社の、外国投資信託保有分株式が流通株式であることの証明責任が大幅に軽減されています。
かかる見解公表は、流通株式比率の算定に大きな影響を与えることが想定され、上場会社は、かかる点における上場維持基準への充足が従前より容易になったと考えられます。また、アクティビストは、外国投資信託を通じて取得した分も流通株式としてみなされるため、大量の株式を取得することで上場会社の流通株式比率を下げ、上場維持基準の基準割れを狙う戦略が一部使えなくなったという面もあるように思われます。
パートナー 大石 篤史
アソシエイト 上村 莉愛
森・濱田松本法律事務所 Client Alert 2025年7月号(第139号)より転載
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