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「中小 M&A ガイドライン」の改訂

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2024年8月30日、中小企業庁は、「中小M&Aガイドライン」の改訂を公表しました。

中小企業庁は、中小企業の事業承継・M&Aの活発化に向けた政府の支援の一環として、M&Aの手続ごとに異なる当事者の役割、トラブル発生時の対応等を記載した「事業引継ぎガイドライン」を 2015年3月に策し、2020年3月には、後継者不在の中小企業のM&Aを通じた第三者への事業の引継ぎを促進するために、同ガイドラインを全面改訂した「中小M&Aガイドライン」を策定しました。

このたび、不適切な譲受側の存在や経営者保証に関するトラブル、M&A専門業者による過剰な営業・広告等の課題に対応するため、中小企業向けのガイダンス及び仲介者・FA(フィナンシャル・アドバイザー)向けの留意事項等を拡充した改訂版(「本改訂」)が公表されました。

具体的な改訂内容としては、中小企業向けに、仲介者・FAの業務内容・質等の確認の重要性や、手数料の交渉の必要性等について追記されたほか、最終契約・クロージング後に当事者間でのトラブルとなり得るリスク事項の解説が盛り込まれております。また、譲渡側の経営者保証の扱いについて、留意事項の詳細が追記されております。

本改訂は、2024年6月28 日に開催された中小企業の事業承継・M&Aに関する検討会の第1回検討会で示された取組方針の一環として行われたものであり(当検討会の詳細については、当事務所 Client Alert 2024年8月号(Vol.128)の「9. M&A:中小企業の事業承継・M&Aに関する検討会の設置」もご参照ください。)、引き続き、中小企業の事業承継・M&A の活発化に向けた政府による支援の動向に注視することが必要と考えられます。

パートナー 大石 篤史
アソシエイト 藤井 啓樹

森・濱田松本法律事務所 Client Alert 2024年10月号(第130号)より転載

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