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フリマアプリ「メルカリ」の上場の是非

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※画像はイメージです

とはいえ、先ほども述べた通り、メルカリはまだまだ潜在的な成長可能性があります。海外の進出余地もあるし、こういうフリマアプリは使う人が増えれば増えるほど倍速で市場シェアが拡大するネットワーク外部性が働くと考えられるため、もっと企業価値は拡大すると期待することができます。

こう考えると、メルカリの資金調達額は大体1000億円から2000億円ほどになる可能性もあります。
いずれにせよ、LINEと同様、メルカリも上場を果たした瞬間にとんでもないキャッシュリッチな企業になることは間違いありません。

②上場によって変わる経営方法

上記のように、メルカリは上場することによって大きな資金を調達することが可能になります。また、経営陣の個人資産も大幅に膨らむこととなります。

この企業規模で何千億円もの資金が手元に入ってくると、なにか新規事業を興したいとなったときもそこまで困ることはないでしょう。上場時に調達した資金は返済義務のない自己資本ですから、借入割合を減らした安全な経営ができる可能性も高まります。

しかし、すべての企業にとって上場することが必ずしもよいとは限りません。というのも、「上場する」ということは社会の公器になることなので、これまでのように経営者が自由に経営方針や事業ポートフォリオを決定するということが難しくなります。

例えば、経営者が「テーマパークを作りたい」という夢をもっていたとしましょう。その会社が上場していなければ、基本的に社内の人間で反対する者がほとんどいない場合、カネさえあればその夢を叶えることができます。

しかし、その会社が上場していた場合は、株主の同意を得ることが必要となるのです。もしテーマパークを作ることが企業価値の増大につながらないと考える株主が大半であった場合は、いくらカネを持っていてもその夢を叶えることが困難になるのです。

また、「今は商機ではない」と考えて資金を寝かせていた場合、もっと新しい投資を積極に行って企業価値を高めろ!と敵対的買収を仕掛けられてしまう可能性もあります。

このように、上場することによって経営者は、これまでは気にかける必要のなかった「株主・株価と向き合う」ということにものすごく体力・気力を使ったうえで経営をする必要性が生じてしまいます。これにより、意思決定の力が鈍って結果的に経営が悪い方向に傾いてしまうことも少なくないのです。

そのため、メルカリの経営陣が積極的な投資案件・構想をもっており、かつ、企業を私物化することができなくなることについての覚悟があるのであれば上場は歓迎されるべきですが、もしそうでないのなら上場なんてしない方がいいと思うし、もしそんな状況でも上場するのであれば、創業者達で一定比率以上の株式を保有するべきであると思います。

③結論、上場すべき?

上記で、上場することはいいことばかりではなく、株主の目線を常に気にするというストレスフルな面もあるということを説明しましたが、これまでメルカリの経営陣に関するインタビュー記事等を読んできた限り、その程度のことで彼らの経営の意思決定に歪みが生じるようなことはないと思っているし、企業を私物化して個人の富のみを追求するような低俗な倫理観しか持ち合わせていないとは思えません。

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