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カフェ・ベローチェを買収した投資ファンド・ロングリーチとは

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カフェ・べローチェの店舗(東京都中央区)

べローチェと珈琲館はシンクロするか

珈琲館渋谷店

ロングリーチが買収したべローチェを運営するシャノアールは、どのような会社なのでしょうか?

1965年に誕生した「珈琲館シャノアール福生」がその礎となります。55期目の歴史ある企業で、全国170店舗以上を展開しています。べローチェの他に「イエローマークス」というスフレオムレツ店なども運営しています。

過去3期の純利益はこのようになっています。

2017年3月期 2018年3月期 2019年3月期
純利益 3億9800万円 1億6600万円 1億2700万円

決算公告より筆者作成

利益は減少傾向にあります。ただし、シャノアールは2019年3月期の段階で利益剰余金が33億2400万円あり、自己資本に厚みがあります。ロングリーチが買収した要因の一つに、利益剰余金が積み上がっていたことがあったと考えられます。

ロングリーチは、買収済みの珈琲館を統合する絵を描いている可能性があります。理由は3つ。ロングリーチが過去にウェンディーズとファーストキッチンの再編を行った実績があること、珈琲館単体での立て直しが非常に困難だと考えられること、そして2社の事業体質がまるで異なることです。

珈琲館は2018年12月期(2018年3月~12月)の売上高が25億2700万円。営業損失が2億7300万円、純損失が6億1300万円でした。FC店が中心の珈琲館は、原価率が31%と適正水準に抑えられているものの、販管費率が80%と膨らんでいます。更に特別損失2億7400万円を計上。純資産は26億6000万円となりました。

営業利益を出すためには、直営店の退店が近道だと考えられます。しかし、前期で6億円以上の損失を出している珈琲館が、退店の減損によって仮に2桁億円の損失を出すと自己資本が心もとなくなります。LBOローンの一括返却を求められる失期にもなりかねません。

シャノアールと統合し、自己資本に厚みのある状態で閉店した方が、珈琲館の建て直しはスムーズに進みます。珈琲館はフルサービス型、べローチェはセルフ型で、食い合いは起こりにくいです。また、シャノアールは全店が直営店だというところもポイント。統合すれば、珈琲館のFC店ノウハウを得ることができます。珈琲館のFCオーナーが、セルフ型のべローチェに乗り換えられるというメリットもあります。

ウェンディーズとファーストキッチンで世間をあっと言わせたロングリーチ。べローチェと珈琲館の行方に注目が集まっています。

文:麦とホップ@ビールを飲む理由

麦とホップ @ビールを飲む理由

しがないサラリーマンが30代で飲食店オーナーを目指しながら、日々精進するためのブログ「ビールを飲む理由」を書いています。サービス、飲食、フード、不動産にまつわる情報を書き込んでいます。飲食店、宿泊施設、民泊、結婚式場の経営者やオーナー、それを目指す人、サービス業に従事している人、就職を考えている人に有益な情報を届けるためのブログです。やがて、そうした人たちの交流の場になれば最高です。 ブログはこちら 「ビールを飲む理由」 


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