親族外承継や第三者へのM&Aも

従来は「会社は長男に継がせる」という考え方が支配的でしたが、現在では役員や従業員など親族外への承継や第三者へのM&Aという手法が増加傾向にあります。親族への承継では生前贈与や相続に関する制度を活用しながら事業承継を進めることになりますが、親族外承継では後継者候補である役員や従業員が自社株の買取り資金を十分に準備できないというケースが想定されます。

こうしたMBO(役員による株式取得)やEBO(従業員による株式取得)における資金調達としては金融機関からの融資が考えられます。例えば経営承継円滑化法にもとづき都道府県知事の認定を受けた事業承継では日本政策金融公庫や信用保証協会の金融支援を受けられるという制度もあります。また、中小企業でも一定規模の事業承継になるとベンチャーキャピタルその他のファンドからMBO、EBO資金を調達できる可能性があります。

第三者へのM&Aになると適切な相手先の選定から条件交渉に至るまでさらなる検討課題が生じます。第三者へのM&Aにおいては事業評価、スキームの選定、バリュエーションなどに関する専門的な判断も必要となります。そのため、実績が豊富で信頼のできるM&A仲介会社をパートナーにすることが秘訣といえるでしょう。特にネットワークが充実した仲介会社に相談することで最適な後継者が見つかる可能性も高くなると考えられます。

文:北川 ワタル