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M&Aの「意向表明書」サンプル書式と注意点

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※画像はイメージです

2.意向表明書の書き方

意向表明書を作成するときには、以下のように書き進めましょう。

2-1.会社概要

まずは申込み企業の会社概要を記載します。社名と本店所在地、代表者名と事業概要を書けば充分です。

2-2.取引形態、希望する価額

希望する取引形態と譲渡価額を書きます。本件では株式譲渡を前提としているので株式の価額を書いていますが,事業譲渡のケースであれば事業の買い受け価額を書きます。ある程度幅を持たせて書いてもかまいません。

2-3.計算の根拠

なぜその金額としたのか、計算の根拠を書きましょう。

2-4.M&Aに参加する理由、目的

たとえば事業拡大、エリア拡大、新事業への参入、相乗効果などM&Aの目的を具体的に書きましょう。

2-5.従業員や役員の待遇

M&A後、従業員や役員がどのような待遇となるかは売り手企業にとっても多大な関心事項です。意向表明書内に自社の考えを記載しましょう。

2-6.資金調達方法

どのようにしてM&Aの資金を用意するのかも明らかにします。手持ち資金や資産売却、借入など具体的に書きましょう。

2-7.スケジュール

M&Aを進めるに際し、予定しているスケジュールを書きます。重要なポイントは基本契約書の締結時、デューデリジェンスの完結日、最終契約書締結日、クロージングの日です。ただしこの段階では暫定的な予定となるので、だいたいの目算でかまいません。

2-8.デューデリジェンスの実施

M&Aではデューデリジェンスが必須です。法務、財務、税務など具体的に何のデューデリジェンスを実施したいのか書きましょう。誰が調査を行うのか、費用は誰が負担するのかも記入します。

2-9.独占交渉権

意向表明書が提出されると、独占交渉権が与えられるのが通常です。いつまで独占交渉権を付与してもらいたいのか明らかにしましょう。

2-10.法的拘束力

意向表明書には法的拘束力を認めないのが通常です。そこで法的拘束力を認めないことを明らかにしておきます。

2-11.有効期限

意向表明の内容がいつまでも有効とするわけにはいかないので、有効期限を定めます。日にちによって期限を区切りつつも、その日の前に基本契約や最終譲渡契約を締結したりM&A取引の検討を中止したりしたときには効力を失うと定めましょう。

2-12.秘密保持

意向表明の内容は営業に関する重大な機密事項なので、秘密保持についても記載して起きましょう。

2-13.その他の要望事項

売り手企業にその他の要望があれば、書き込めるようにしておきます。


・・・・・

以上が、M&Aの意向表明書に記載すべき内容と書き方です。

意向表明書はM&Aの端緒となり、また買い手企業が売り手企業に自己紹介を行う役割も果たす重要な書類です。上記のサンプルを元に、効果的な書面を作りM&Aを成功させてください。

※ 上記はあくまでサンプルです。事案により内容は変わります。

文:福谷陽子(法律ライター)

福谷 陽子 (ふくたに・ようこ)

法律ライター 元弁護士

京都大学法学部卒業
10年の実務経験を積んだ後ライターに転身し、現在は各種法律記事を中心に執筆業を行っている。弁護士時代は中小企業法務や一般個人の民事事件を中心に取り扱っており、その経験を活かし法律ライターとして活躍中。


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