KeyHolder「アイドルに会える」株主優待休止で株価下落

※この記事は公開から1年以上経っています。
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SKE48や乃木坂46といったアイドルグループの物販などを手がけるKeyHolder<4712>が、12月末で株主優待制度を休止することになった。500株以上で5000ポイント、50万株以上で30万ポイントが株主に付与され、例えば100ポイントで限定画像・映像などをダウンロードできるGacha(ガチャ)、3000ポイントでライブ配信の視聴、10万ポイントでバックステージツアー招待といった具合に特典との引き換えが可能だった。そして早くもその影響が出ている。

コロナ禍で株主優待を縮小

同社の株主優待は12月末時点の株主を対象としているが、2021年12月末に付与予定分から休止するという。理由としては「昨今の国内環境の影響を受けており、一部の対面を含む企画などは当初の想定と異なる形でのご提供となるなど、依然として先行きの不透明感が続くものと思われる現況下におきましては、株主様にご納得いただける優待企画のご提供が困難であるとの結論に至りました」としている。

つまり、新型コロナウイルス感染症の流行により、対面型の株主優待の提供が厳しくなったから休止するということ。かつて同社の株主優待はアイドルグループのライブ招待券だったが、コロナ禍でライブ配信の視聴やファンクラブの特典などと交換できる現在のポイント制度に変更された。

ただ、オミクロン株の流行などで先行き不透明とは言え、新型コロナのワクチン接種が進んでいる。治療薬の開発もあり、コロナ禍の出口も見えてきた。対面企画が難しくなるから株主優待を休止するというKeyHolderの説明には、いささか唐突なイメージがある。

KeyHolder株は株主優待制度の休止を発表した翌営業日の12月20日に売りが殺到し、株価は前日よりも74円安い606円に下落。翌21日には年初来安値の601円まで売られた。業績面で株価の材料は見当たらず、株主優待制度の休止が影響したのはまちがいないだろう。

KeyHolder株の下落は、同社株主にアイドルファンが多かったことを再認識させる出来事だった。「アイドルと会える」株主優待制度が復活すれば、KeyHoldeの株価が上昇に転じる可能性もありそうだ。

文:M&A Online編集部

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