リスクを小さくする方法として「長期投資」の説明をよく耳にしますが、はたして本当なのでしょうか。逆に短期投資がリスク大のような話しもよく耳にします。私の結論としてはどちらも「NO」。
長期投資の方が実はリスクは大きいはずである。今日現在残っている企業の株価を過去から振り返って見ると、基本的には「上昇」しているケースが多いだろう。それはなぜなのか。
理由としては、その企業が様々なサバイバルを重ね、生き残った成功者だからである。その陰には今はもう形さえ残っていない敗者(同業他社)が累々と横たわっているのである。もし、そんな企業に長期投資していたら、それこそ大損である。なので、長期投資=リスク小ということにはならないはずである。
他にもある。「若者はリスクを取ってもよい。お年寄りにはリスクは取らせるべきではない」。これももっともらしく聞こえるが、投資家のリスク許容度には全く関係ないと思う。
リスク許容度はつまりその人の流動性の高い金融資産が大きいか少ないか、また慎重なのかそうでないのかによって決まるものである。若くても余裕のない人は過大なリスクを負ってはいけないのである。
よって、私なりのリスクをなるべく少なくする方法としては「国際分散投資」をお勧めしたい。これに長期投資を組み合わせることによって、リスクをより小さくすることが可能になる、というが私の考えである。いつの時代も人類が生み出すGDP(国内総生産)が長期上昇トレンドを形成する唯一の源であり、長期投資とそれは全く関係ない。
まずは、短期売買を長期にわたって繰り返せば、それはつまり長期投資をしていることと同じ意味合いを持つということを理解して欲してもらいたい。「もうやめた」と株式市場から退場しない限り投資手法の違いこそあれ、つまりは長期投資と同じなのである。
違うのは「コスト」。これが落とし穴となっていることを自覚できているであろうか。ここで言うコストとは証券会社に支払う手数料のことである。いくら手数料の安いオンライン証券で売買しても必ず発生するもの。売買回数に比例して手数料の総支払額は高くなってしまう。
つまり、長期にわたって短期売買を繰り返すことはその分のコストもカバーしなければならず、結局は投資家のリターンに大きく影響してくるのである。この点は投資家として必ず押さえたうえで、短期売買の是非を考えてもらいたい。
ナンピンは絶対にやってはいけないタブーである、というのが私の結論である。とはいえ、「わかっちゃいるけどやめられない」。これも事実。そんな人たちは先人たちの失敗を一度学んでみるというのも良いかもしれない。
歴史に名を残す「大やられ」はそのほとんどがナンピンといっていい。ナンピンを漢字で書くと「難平」。訳すと「平らにするのが難しい」である。
英国の名門銀行のベアリング銀行を倒産に追い込んだニック・リーソン事件(1995年)、大和銀行ニューヨーク支店巨額損失事件(1995年)、住友商事の銅不正取引事件(1996年)など、ナンピンが最後は取り返しのつかない大損失を発生させた例はいくらでもある。
ナンピンで勝てる唯一の必勝法は「無限の資金力」のみである。よってナンピンはお勧めできない、というよりやってはいけない。
最後に、これを読んで下さった皆様は是非「広辞苑」でナンピンを引いてみて下さい。一般的な語句の説明文の最後のほうに「おろか者」と書いてあります。ナンピンをして愚か者とはさすが世界で最も古い市場の歴史を持つ日本ならではの素晴らしい教訓めいた響きであると感心するのは私だけでしょうか。
文:晴れの国トレーダー
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