もともと給付金には事業者ごとの枠が設けられており、過去の取扱実績や販売計画などに基づいて設定されるため、販売実績のある大手の給付枠は大きく中小事業者は小さい。制度自体が体力のある大手に有利となっているのだ。
中小の宿泊施設や旅行代理店では「事務処理が煩雑」と不評な上に、大手に利用客が流れている現状から申請をためらう事業者も増えている。GoToトラベルで恩恵を受けている大手でも感染予防のために客室の稼働率を半分程度に落としている宿泊施設も多く、「GoToトラベル混雑」に戸惑うケースもあるという。
高級旅館・ホテルとしてはリピーター客を確保したいが、GoToトラベルを利用するのは「半額で泊まれるから利用した」単発客が多い。客室稼働率を落としている状況だとGoToトラベル利用客で予約が埋まり、リピーター客が利用できないケースも懸念される。
航空機の早期割引料金のように予約枠を設けて、GoToトラベル利用者を制限する可能性もある。そうなれば旅行者から「泊まりたい宿が利用できない」との不満の声も上がるだろう。これから秋の大型連休を迎えるが、GoToトラベルの課題は山積している。
文:M&A Online編集部
新型コロナウイルスの影響が企業の設備投資に影を落とし始めた。先行き見通し難を理由に設備投資を計画する企業が減少する中、生産性の向上やテレワーク導入に関する投資が目立ってきた。