バス路線維持、自治体が後継事業者を募集も 改正法が成立廃線の届け出の前に引き継ぎの検討着手へ

地方のバス路線などの廃止を防ぐ改正地域公共交通活性化再生法が5月27日の参院本会議で可決、成立した。過疎化による需要減などで存続が厳しくなった路線を引き継ぐ事業者を、自治体が募集できるようになる。新型コロナウイルス感染拡大の影響で事実上倒産したバス事業者も現れた中、新規参入も含めて多様な選択肢を検討・協議する仕組みをつくる。

改正法では、存続が難しくなったバス路線の事業者が廃止を届け出る前に、自治体が地域の交通事業者らと旅客運送サービスの継続を協議する。住民の移動ニーズに基づき、コミュニティーバスや乗合タクシー、自家用車で住民を運ぶ自家用有償旅客運送など持続可能な交通手段を検討、自治体が直接運行しない場合は後継事業者を公募・選定する。

新規参入の申請も国が自治体に通知

乗合バスの新規参入などの申請があった場合も、国土交通大臣が自治体に通知。既存事業者への影響や、乗客の利便性を損なわないダイヤ設定などがなされるかなどについて自治体の意見を聞き、認可するべきか判断する。

路線バスなどの地域公共交通サービスは、人口減が顕著な地方部ばかりでなく、都市部でも運転手不足の深刻化で維持・確保が難しくなっている。国土交通省によると、全国では2007年度から2016年度までの10年間に延長1万3991キロものバス路線が廃止された。

コロナ禍で路線バス事業者の倒産も発生

さらに、バス利用者数は新型コロナの外出自粛のあおりも受けて落ち込んでいる。

東京商工リサーチによると、緊急事態宣言が出されていた5月15日には、路線バスなどを運行する丸建自動車(埼玉県上尾市)が約5億円の負債総額を抱えて民事再生法の適用を申請した。路線バス事業者のコロナ関連倒産は全国初。

関係者は「路線バスは今後も止めることなく、継続する。スポンサーを広く募り、事業再建を目指していく」としているが、今後の感染状況の推移によっては経営に行き詰まるバス事業者が出る恐れもある。

改正法について、国土交通省は「全ての地域で持続可能な運送サービスの提供を確保するため、既存の公共交通サービスの改善・充実を徹底し、地域の輸送資源を総動員する取り組みを推進する必要がある」としている。

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