おそらく両者は、コロンブスが得る成功報酬(利益の12.5%)の一部を貸し手に支払うことで合意をしたのではないか。支払われたのは単なる「金利」ではなく、出資に対するリターンである。
もしそうだとすると、現代のファイアンスの感覚で言うならば、これは「メザニン」に近い。新株予約権や劣後債を用いた「融資(Debt)」と「投資(Equity)」の中間的な性質の投資である。
筆者は、コロンブスの自己資金は、イタリア商人との間でメザニン投資契約が成立して調達されたと思っている...
1486年5月、コロンブスはカトリック両王に拝謁した。コルドバの王宮で開催された運命のプレゼンで、コロンブスはイザベルに訴える。邪教に耽り、キリストの福音を知らぬまま、死んで地獄に落ちる憐れな未開の異教徒たちを聖なる教えに導いて救うと。
イベリア半島諸王国はユダヤ教徒を国王隷属民として管理し、様々な宮廷業務-とりわけ資金調達業務に従事させた。これはユダヤ教徒の金融業としては「ホールセール」にあたる。その内容は単なる融資や貸付とは異なるものだった。それが「徴税請負人」である。
「金(ゴールド)」の発見という初期ビジネスモデル仮説が頓挫した中、トーマス・スマイスをはじめとするヴァージニア会社の投資家と経営者はどうしたのか。現代のスタートアップ用語でいうならば、どうハードピボット(事業転換)したのか。その行方を追う。
株式会社は経済資源の最適配分と成果の最適分配を実現し得るのか?日本でも深刻化している貧困問題や行き過ぎた格差が社会を不安定にするものであるならば、解決策は「ポエム的」株式会社論ではなく、会社法及びそれに関連する法律の改正でなくてはならない。