ところがそうではなかった。44歳の若きユダヤ系ウクライナ人の大統領は、ホロコーストを生き延びた両親を持つ。ゼレンスキー大統領の家族は、ソ連崩壊後に多くの東欧のユダヤ人がイスラエルに移住した際(IT大国イスラエルの原動力となった人々だ)も、ウクライナの地で生き続けることを選んだ人たちだ。
ユダヤ人のディアスポラの歴史は「移動した人々の物語」であると同時に、「移動しなかった人々の物語」でもある。ゼレンスキー大統領とその家族は、移動しなかったユダヤ人だ...
今、再び大きな歴史の転換点とも言える出来事が起きている。今回はロシアによるウクライナ侵略戦争について言及する。ウクライナが位置する東欧は、このコラムの主題のひとつである反ユダヤ主義やユダヤ陰謀論の歴史舞台の一つの核ともいえる場所だからだ。
キリスト教徒はユダヤ教徒によりイスラエルを追われ、世界帝国の首都ローマでの布教を始める。弾圧を受けながらもローマの国教となったキリスト教。一方、ユダヤ教徒もローマとの紛争に破れ、ローマ帝国の地方都市に渡り新たなコミュニティーを形成していく。
1株に多数の議決権を付与する「デュアルクラス」は、アメリカ西海岸、シリコンバレー流の反逆精神、カウンターカルチャー精神の表れであり、オトナの経営者が眉を顰めるだけのキワモノなのだろうか。実はこの制度を使えば敵対的買収も回避できるのだ。