欧州キリスト教世界は、コロンブスの処女航海成功をきっかけに未知の世界に漕ぎ出し、株式会社という仕組みを開発したことで、世界を植民地化し、宗主国と植民地の間で圧倒的な富の格差を固定化することに成功した。
この大航海~植民地支配時代のキリスト教諸国家の輝かしい足跡を歴史の「縦軸」とするならば、ディアスポラのユダヤ教徒の足跡は、キリスト教社会に利用され、翻弄されながらも、生き残りを賭け時にしたたかに生きた、歴史の「横軸」だ...
歴史を紐解くと大きな流れの結節点とも呼べる「運命の年」が存在する。日本で「天下分け目」といえば1600年の関ケ原の戦いを思い浮かべるだろう。思想の巨人フランス系ユダヤ人のジャックアタリ氏によれば、スペインにおける「運命の年」は1492年だ。
一神教と疫病とコーポレートファイナンスの関係を探る連載の3回目。今回は一神教であるユダヤ教の基本理念を解説する。ユダヤ教は「律法主義」「メシア信仰」「選民思想」を重視するが、その真意は意外にも現代の契約社会に通じる合理的で平等な概念だった。
株主資本主義大国でありながら、イノベーション王国(起業家大国)でもある米国。注目すべき仕組みの一つが、「デュアルクラス」(複数議決権株式の活用)だ。これは、起業家(創業メンバー含む)に、1株に複数の議決権がついた株式を割り当てるものである。