仏ルノーの「日産離れ」が、そろり加速-関係修復は一段と困難に

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日産はルノーから離れて「一人旅」に出るのか?(Photo By Reuters)

かつては日産自動車<7201>との経営統合に執念を燃やしていた仏ルノーの「心変わり」が顕著になったきた。一方、かつては「ルノーからの独立」で沸き立っていた日産側の事情も変わりつつある。日産とルノーの関係はどうなるのか?

広がるルノー・日産の「距離」

日産は23日、英サンダーランド工場でのルノー向けシリンダーヘッドの生産を2024年初めに打ち切ると発表した。どちらが持ちかけたかは明らかにされていない。しかし、日産にとっては稼働率が低い同工場で約250人を雇用している貴重な事業であり、ルノーはすでに新たなサプライヤーを見つけている。ルノーが日産に「解約」を申し入れた可能性が高い。

現行の「改定アライアンス基本契約(RAMA)」によると、ルノーによる日産支配の実行機関だった統括会社ルノー・日産BV(RNBV)が2022年4月も事実上の役割を終えた。RNBVは日産が決定した経営事項を無効とする権限があったが、現在はルノーの賛否にかかわらず日産が決める体制になっている。

日産の独立性が高まったのは事実だが、すでにルノーは日産をアテにしていない。ルノーのルカ・デメオ最高経営責任者(CEO)は7月29日にブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、日産と三菱自動車工業<7211>が参加しなくても電気自動車(EV)事業とエンジン(内燃機関)事業を分離する計画を断行すると明言した。

デメオCEOは「われわれは彼らに門戸を開いている。最終的に飛び乗るかどうかは彼らの決定だが、列車は駅を出発しつつある」と、突き放した言い方をしている。共同開発の軽自動車EVを発売したばかりの日産と三菱自工だが、両社ともエンジン依存度が高い。ルノーが60%以上を出資するEV新会社に参加し、エンジン事業を非連結化して事実上切り出すやり方について行くのは難しいだろう。

M&A Online編集部

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