日本で2番目に事業承継しやすい町づくりに取り組んでいるのは三重県名張市。では1番は?

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写真はイメージです

中小企業の後継者問題の解決を支援するサービス「ニホン継業バンク」を運営するココホレジャパン(岡山市)は、1741の自治体を対象に後継者問題に対する目標設定や体制づくり、取り組み状況、実績に関する調査(回答自治体は219)を実施。その結果、最も事業承継しやすい町づくりに取り組んでいるのは、埼玉県入間市であることが分かった。2位は三重県名張市で、3位は青森県八戸市だった。

事業承継に結びついていない補助金

ランキング
事業承継しやすい町づくりに取り組んでいる自治体ランキング(同社ニュースリリースより)

調査は2022年6月30日から7月21日の間に質問表を郵送し、総合計画などへの記載の有無、担当部署などの有無、地域内の調査の有無、補助金の有無、過去5年間の相談件数、承継件数など14項目を調べた。

補助金については、「補助金あり」と答えた自治体の65.9%が「利用実績あり」と回答したものの、承継実績については、79.3%が「ない」「わからない」と回答しており、補助金が事業承継に結びついていない現状が浮き彫りになった。

地域内の調査については、62.1%の自治体が「実施していない」と回答。補助金を設けている自治体のうち調査を「実施した」と回答したのは、わずか22.5%で、地域の現状を把握しないまま補助金を出している自治体が多いことも分かった。

同社では同調査で得られた情報から、地域での事業承継の取り組みを考察したレポートを作成し、回答のあった自治体に提供するという。

譲渡の準備はまだ

経営コンサルティングのタナベ経営(東京都千代田区)が、経営者らを対象に「2022年度M&A・事業承継に関するアンケート」を実施したところ、M&Aに関する興味・関心を抱いている経営者が、譲渡を考える理由として最も多かったのは「後継者不在」だった。回答率は46.8%に達しており、多くの経営者が企業存続のために、M&Aを検討していることが分かった。

調査は2022年6月1日から2022年6月30日の間に経営者のほか、役員、経営企画・経理財務・事業開発責任者、M&Aの担当者らを対象にメルマガ、Webサイトで実施し、384件の有効回答を得た。

譲渡を考える理由として「後継者不在」と回答した経営者に対し、譲渡に向けた準備について尋ねると「まだ取り組めていない」が80.6%となり、事業承継について問題意識はあるものの、手が付けられていない状況が浮かび上がってきた。

日本の中小事業者の約3割にあたる127万社が、後継者不在により自然廃業する可能性が指摘されている。にもかかわらず多くの企業で準備ができていないのが現状だ。国や自治体による事業承継支援は、待ったなしの状況といえそうだ。

文:M&A Online編集部

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