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経営上の意思決定についての手法 - 意思決定の難しさ

※この記事は公開から1年以上経っています。
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3.意思決定以上に必要なもの

今まで数多くの経営者を見て来て、最近では経営者のそばで仕事をする機会も増えてきました。そこで改めて思うのは、QPMIサイクルにもありますが、優秀な経営者の方は、例外なく、熱いPassionと、世の中を変えたいというMissionを持っていると思います。

大学の経営学や、MBAで学ぶような○○サイクルと言ったメソッドは、昔から行われいる事象を類型化し、体系的に整理して、学問的に分かり易い言葉で表現しているにすぎません。歴史を作ってきた経営者の多くは、学問的なことを身に付けるよりも早く、深く考え、様々な経験をして、重要な意思決定を繰り返してきました。そしてそれは1人では出来るものではなく、従業員を始め、多くの方のサポートが合って初めて実現できたものと言えます。

昔から読まれている名著で、「人を動かす」(デール・カーネギー著)がありますが、そこでの人を動かす三原則の1つは『強い欲求を起こさせる』ことなのであり、経営者が明確なMissionを従業員に対して強いPassionで伝えられることが出来れば、多くの従業員が味方になってくれることでしょう。

経営者の意思決定の内容がどれだけ優れていても、それを実行し切れて初めて世の中から評価され、歴史に残ることになります。その意味でも、PassionとMissionは欠かせないと言えます。それがあれば、富士フイルムHD、武田薬品工業、出光興産の重要な意思決定もいい方向に向かうかもしれません。

今回は意思決定のメソッドをいくつか紹介してみましたが、いずれも観察であったり評価であったりと言葉は違えど、本質としては、現状分析と解決策の方向性を導き出すことが不可欠です。ビズサプリグループでは、会計士、事業会社での経験豊富なコンサルタントにより、企業の意思決定支援のコンサルティングも行っておりますので、ご興味ありましたらご相談頂ければと思います。
http://www.biz-suppli.com/menu.html?id=menu-consult

文:花房 幸範(株式会社ビズサプリ パートナー 公認会計士)
株式会社ビズサプリ メルマガバックナンバー(vol.077 2018.7.04)より転載

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