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U-NEXTと米ワーナーの独占契約で業界勢力図は変わるのか

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乱立気味の動画配信サービス 国内の勢力図は

日本国内に置き換えても、やはりNETFLIXが500万人超える有料会員数を誇って日本でもトップを走り、これにAmazonプライムビデオが続く図式も変わりありません。これにHuluと老舗のU-NEXTが続き、どちらも会員数は200万人程度と言われています。

「テレビ離れ」という言葉が出てきて久しいですが、それでもテレビ局のキー局の発信力が強い日本では、各テレビ局ベースの動画配信サービスが乱立気味です。日本テレビに関してはHuluとの連携があるのでちょっと特殊ですが、TBSのParavi、フジテレビのFOD、テレビ朝日のTELASA、さらにはNHKもNHKオンデマンドを始めました。

その一方で動画配信サービスを利用している人は日本国内では3割弱という調査結果もあります。ということは、まだ7割以上の人が動画配信サービスに手を付けずにいると言うことです。

ここに“大きな伸びしろ”を感じたU-NEXTが、今回ワーナーメディアとの独占定額配信契約という大きな一手を打ってきた要因と言えるでしょう。

アメリカでは一個人が平均して3.1種類の動画配信サービスを利用しているという調査結果があるのに対して、日本では平均1.7種類というデータが出ています。利用者全体の増加に加えて、個人の利用サービスの数もまだまだ伸びしろがあるのです。

WIN-WINのパートナーシップ契約

このように、群雄割拠といった状況の日本でのサブスク系動画配信サービス。そんな中で国内企業としてはHuluと並び最多の会員数を誇るU-NEXT。テレビ局や映像制作会社ではない有線放送の系列というのが、ちょっと異色の存在です。ただ、競合するNETFLIX、Amazonプライムビデオ、Huluと比べた時に、オリジナルコンテンツのラインナップで後れを取っていました。

NETFLIXではオリジナル映画やドラマが毎週のように配信開始されています。しかも海外作品だけでなく、日本の映画・ドラマ・アニメシリーズも多数リリースされています。AmazonプライムビデオもNETFLIXほどではないものの、オリジナルタイトルが並んでいます。Huluは日本テレビと繋がっている強みを最大限に活かしています。そんな中で、配信本数では負けていなくても、U-NEXTはオリジナル作品では勝負できる部分が少なかったのも事実です。

今回の契約で、U-NEXTは過去のアーカイブも含めると一気に1000話以上のコンテンツが増えることになります。元々取扱い作品数では国内トップを誇っていたU-NEXTですが、さらに大きな“プラスα”が加わることになります。

一方で、ワーナーメディア(HBO MAX)側としても、日本向けのサービスプラットフォームをイチから創るコストと時間を省き、日本へ作品を供給する体制を整備できるため、大きな利点があると言えます。

このU-NEXTとワーナーメディアのパートナーシップの締結は、日米動画配信サービスの戦線の流れに大きな変化を与える一手になるかもしれません。

文:村松 健太郎(映画文筆家)

公式リリースはこちらです https://prtimes.jp/

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