TOB件数は第1四半期が微減に留まったのに対し、第2四半期は明らかな減少傾向が見て取れる。第2四半期の最終月だった6月と第3四半期の初月である7月が、いずれも1件ずつとTOB案件に急ブレーキがかかった格好だ。
日本銀行が7月に開いた会合で従来は0.5%程度としてきた長期金利の変動幅の上限について、市場の動向に応じて1%まで引き上げる事実上の利上げ容認の姿勢を示した。その結果、景気の先行き懸念に加えて、TOB資金調達のハードルも高くなる。今年のTOB件数が低迷する材料になりそうだ...
2023年7月のM&A件数(適時開示ベース)は74件と前年を17件上回った。前年比プラスは5カ月連続で、国内、海外案件とも堅調に推移した。取引金額は1566億円と低調だった。5~6月は2カ月連続で1兆円を超えたが、大型案件が乏しかった。
2023年5月のM&A件数(適時開示ベース)は前年を1件上回る79件だった。5月として過去10年で最も高い水準で、国内、海外案件とも好調に推移した。1~5月累計は427件で、前年を42件上回るハイペースを維持している。
2023年3月のM&A件数(適時開示ベース)は105件と前年を12件上回った。昨年9月(105件)に2008年3月(111件)以来14年半ぶりに月間100件の大台に乗せたが、今度は半年のタイムラグで実現した。2月にペースダウンした国内案件が好調を取り戻し、海外案件も増勢を維持した。1~3月期累計は前年比38件増の275件で、4四半期連続で増加した。