理由3 今のアップルはコストダウンが大好き

「高くても良いモノをつくれ」がアップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏のモットーだったが、後継者のティム・クック最高経営責任者(CEO)は違う。クックCEOは就任直後から、部品調達などでコスト削減を進めてきた。これによりアップルの企業体質は強化されたが、クアルコムとの訴訟や最先端の技術をいち早く取り込めなくなったという弊害も指摘されている。

事の是非はともかく、今のアップルはコストダウンを重視していることは間違いない。これまで述べてきたように11シリーズを補完するiPhoneを投入するとなれば、当然「低コスト」が最優先となるはずだ。事実、2019年に投入したタブレット端末の「iPad mini」(第5世代)やポータブルメディアプレーヤーの「iPod touch」(第7世代)は、いずれも旧モデルの改良版だった。

ボディーは前々モデル以来の使いまわしながら、CPUやストレージなどを大幅に強化した「iPod touch」。(同社ホームページより)

低価格のiPhoneが新たに投入されるとすれば、部品や金型などの流用が可能な旧モデルの改良版になる。現時点で可能性があるのは低価格モデルとして併売されている「iPhone 8」の改良版だが、現在も前々モデルの「同7」が販売されていることから、同11シリーズ発売後も継続販売されるだろう。

さりとて同11シリーズの発売で廃番となる同7の改良版を投入するとは考えにくい。なぜなら販売が継続される同8は同7のマイナーチェンジで、本来ならば「iPhone 7S」となっていたはずのモデル。外観はほとんど変わっていない。同7の改良版が出れば同8と競合するし、製品ラインナップにも混乱をきたす。

残るは「待望論」が根強い、iPhone SEの後継機だ。画面の大型化がトレンドだったスマートフォンも、最近は使い勝手の悪さや他機種との差別化から小型モデルが注目を集めてきた。アンドロイド端末では画面が3.3インチで重さ62.5グラムの「Palm Phone」や、「世界最小の4Gスマートフォン」をうたう2.45 インチ、60.4グラムの「Unihertz Jelly Pro」といった超小型スマートフォンまで登場している。

いまだに根強い人気がある4インチ画面の同SEのCPUをアップデートし、RAMやストレージを増量して処理能力を引き上げるだけでも、十分な競争力が期待できそうだ。そうなれば改良も最小限で済み、同SE2投入にかかるコストも低い。しかも、低価格機が売れる新興国市場だけでなく、小型モデル需要が高まっている先進国市場のニーズにも応えることができる。

「SE2」発売は早ければ2019年12月?

もしもiPhone SE2が投入されるとなると、いつか?おそらくは同11シリーズの売れ行きを見てということになるだろう。立ち上がりの販売が不振ならば、SE2をクリスマス商戦にぶつけてくる可能性が高い。2019年12月が最初の候補になるだろう。

一方、前評判を覆して「同11シリーズ」の販売が好調であれば2020年3月以降、あるいは発売が見送られるかもしれない。価格が高い新モデルが売れているのなら、わざわざ低価格モデルを投入する必要はないからだ。いつ「同SE2」にゴーサインが出るかは、まもなく登場する新モデルの売れ行き次第だ。

文:M&A online編集部