ところが、現在は2016年実績が1,120万ケース(前年比85%)、2017年計画が1,020万ケース(前年比91%)と、市場に浸透するにつれて、成長率は鈍化し、ここにきて伸び悩みを見せているのも事実。ボストン・コンサルティング・グループが考案したプロダクト・ポートフォリオ・マネジメント戦略(PPM)における「金のなる木」になったということができるだろうか。
「金のなる木」では「市場成長率が期待できないため、その商品・事業の投資を必要最小限に抑えるとともにキャッシュを回収し、他の事業を”花形事業”に育てるための資金源とする必要がある」としている。
そのような意図があるかどうかは定かではないが、サントリー食品インターナショナルでは、この11月7日から期間限定で、『オランジーナ カシスオレンジ』(写真)を発売する。「オレンジピールエキスの爽やかさと、カシスの華やかで深みのある味わいで、大人のパーティーシーンを盛り上げる冬期限定の商品」という。
オレンジを中心に、レモン、マンダリンオレンジ、カシスといった5種類の果汁をブレンドすることで、華やかかつ複雑な味わいに仕上げた商品。パッケージは、フランス人アーティストのヴァージニー モーガンによる描きおろしのデザインラベルを採用した。
「期間限定商品」の販売などの戦略が、市場に浸透した『オランジーナ』の新たな起爆剤となるか。むしろ『オランジーナ』ブランドの深耕をめざすだけでなく、“大人の炭酸飲料”市場全体の深耕を図る意図もありそうだ。
文:M&A Online編集部