近年、多くの国内企業が東南アジアへ進出し、現地でローカルスタッフと共に経営にあたっています。今回は簡単ではありますが、東南アジアにおける日系企業の現状の会計への取り組み方と気をつけるべき会計視点についてご説明させていただきたいと思います。

東南アジアの会計事情

冒頭で述べたとおり、多くの国内企業が東南アジアに進出していますが、組織の立ち上げや営業、ローカルスタッフのコントロールという難題で忙しくしており、経理回りを自社で構築する余裕がないという会社も多いでしょう。経理回りは会計事務所に丸投げという会社も少なくありません。

現在、東南アジアを取り巻く会計回りの環境については、以下のような状況です。

まず「会計監査」ですが、日本ほどの厳格な監査は行われておりません。期中監査はほぼなく、期末に簡単な監査を行うという状況です。監査は IFRS国際財務報告基準)に則って、会計表示が適切になされているかどうかを確かめるわけですが、日本ほど基準への準拠が厳しく問われるわけではありません。ですから監査対応に関しては緩めに対応してもいまのところ特に問題はないと思われます。

一方、「税務」に関しては、日本と比較すると、わりと厳しく追及される傾向にあります。加えて、理論武装では論破できない局面も多く出てきます。税務に関しては日本人がしっかりと前提の知識を持ち、対応していくことが求められます。しかしながら実際のところ、税務の基礎を理解している駐在員は少なく、十分な税務対応ができている会社はそうは多くはありません。

東南アジアに進出する日系企業の課題は

経理回りに時間を割く余裕がないとはいえ、会計は会社にとって非常に重要なものですから、少なくても税務に関しては基礎的な理解を深めておくべきといえます。確かに理論通りにいかないのが東南アジアの税務実務ではありますが、理論を理解してはじめて、理論と実務の乖離を理解することができ、対応方法を考案することが可能となります。ですから、少しずつ税務の知識を深めていくことは重要といえます。

また管理会計の分野においても課題があります。本来、会計書類は税務署やその他当局に提出するためだけに作成されるものではなく、自社の経営状況をいち早く数値で理解し、改善すべきところは改善へと会社行動を促していくものであります。

しかしながら、東南アジアに進出する多くの日系企業は、会計を経営目的に利用するという点があまりできてないように思います。

それは、駐在員が他のことに非常に忙しくしていたり、そもそも会計の知識がないという方も多くいらっしゃるためです。作成された会計書類に基づき、経営計画の見直しを行うことや、業務の改善を行うというところまで有益に用いることができていません。これは非常にもったいない使い方です。

では、これらの課題解決のために会計の知識を身につけるには、どうしたらよいでしょうか?