歴代トップは長期政権

同社は1960年、積水化学工業のハウス事業部が分社する形で発足した。プレハブ住宅「セキスイハウスセキウイA型」(平屋建て)を売り出したが、鳴かず飛ばずで、3年連続の赤字に。会社存亡の危機に立つ中、親会社から社長として送られてきたのが田鍋健氏。田鍋氏は1963年から1992年まで30年近く社長を務め、住宅の工業化を牽引し、積水ハウスの事実上の創業者といわれるカリスマ経営者だ。戸建て住宅に軸足を置きながらも、総合的な街づくりに取り組む必要があるとして1985年、六甲アイランド(神戸市)で当時の売上高の半分に相当する都市開発プロジェクトに社運をかけて推進した。

この後、社長のバトンは奥井功氏(社長在任1992~1998年)、今回渦中の和田氏(同1998~2008年)、阿部会長(同2008~2018年)、仲井現社長に引き継がれる。田鍋氏はともかく、いずれも社長の在任は8~10年と長めで、しかも、その後の会長時代を含めると経営トップとしての在任期間は20年に及ぶことになる。

土地取引で巨費をだまし取られる大手企業として考えられない失態にせよ、これを引き金に勃発した社内対立にせよ、ガバナンス体制を揺るがせたのは、歴代の“長期政権”の澱(おり)が図らずも露呈した結果と言えまいか。

文:M&A Online編集部