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「仁」の思想ー「なぜ」が人を動かす|M&Aに効く論語2

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fotokostic(iStock)

マンガ『キングダム』の時代

 ですが、孔子が生きた時代は、中国の「春秋戦国時代」であったことを忘れてはいけません。いま大人気のマンガで、最近映画にもなった『キングダム』の舞台が、まさにこの時代です。

 人々は武器を手に入れ、軍事行動を手に入れ、強いものがすべてを奪い取ることができる、弱いものは滅びるしかないと競い合い、戦い続けた時代です。下剋上は当たり前の世界です。

 その時代に生まれた「仁」という言葉には、お行儀のいい意味しか含まれていないのでしょうか? 「ラブ&ピース」の意味も含まれていると同時に、もっと力強い意味があるはずです。

 孔子の同時代の人物、陽虎が「仁をなせば富まず、富めば仁ならず」と言ったことはよく知られており、渋沢栄一『論語と算盤』にも出てきます。

「論語は仁について書かれた書物」でありながら、仁について明確な定義はされておらず、古くから「仁」と「富」または経済的合理的活動、つまり競争に勝つこととは相容れないのではないかと思われてきたのです(前回参照)。

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2019/04/07

『論語』は3000人ともいわれる孔子の弟子たちによって教団が作られたテキスト、いわば「聖書」であり「教典」である。今回の言葉は「罪を天に獲(う)れば、禱(いの)る所なきなり」。さて、その真意は? 私たちはこの言葉をどう活かせばよいのか。