[ワシントン 19日 ロイター] - 米連邦取引委員会(FTC)は19日、米フェイスブックを反トラスト法(独占禁止法)違反の疑いで再び提訴した。フェイスブックの市場独占を裏付ける資料を拡充し、傘下の写真共有アプリ大手「インスタグラム」やメッセージアプリ「ワッツアップ」の売却を改めて求めた。
前回の訴状よりもかなり長い80ページにのぼる新たな訴状には、フェイスブックによる独占を裏付けるための追加資料が含まれている。FTCは、米国の個人向けSNS(交流サイト)市場でフェイスブックの月間アクティブユーザー数は2012年以降、全体の65%を超えているとし、フェイスブックが市場を支配しているとして主張している。
訴状の再提出は3対2の賛成多数で決めた。IT大手の独占を問題視してきたリナ・カーン委員長が訴訟に携わるという。
FTCは、2012年に10億ドルで買収したインスタグラムと2014年に190億ドルで買収したワッツアップをフェイスブックが売却すよう裁判所が命じることを再度求めた。
フェイスブックの広報担当者は、連邦地裁が訴えを棄却したにもかかわらずFTCがメリットのない訴訟の継続を選択したのは遺憾だとし、引き続き争う姿勢を示した。インスタグラムとワッツアップの買収は何年も前に審査・承認されており、フェイスブックのプラットフォーム政策は合法的なものである、と主張した。
FTCのフェイスブックに対する訴訟を巡っては、首都ワシントンの連邦地裁が6月、フェイスブックがSNSで支配的な地位を築いているという主張をFTCは証明できていないとして訴えを棄却。その後、FTCによる新たな訴状の提出期限を8月19日まで認めていた。
フェイスブックは7月にFTCのリナ・カーン委員長が同社に対するFTCの反トラスト法訴訟に携わらないよう求めていた。
ブルーム・ストラテジック・カウンセルのセス・ブルーム氏は、インスタグラムやワッツアップの買収は何年も前に行われており、裁判所が売却を命じるのは難しいとの見方を示した。その上で「フェイスブックがSNSにおいて優位性を持っていることを具体的に示しているため、今回の訴状はより良いものになっている」と指摘した。
上院司法委員会反トラスト小委員会で委員長を務めるエイミー・クロブシャー議員は、FTCが「反競争的行為の長い歴史」に関してフェイスブックに責任を負わせたことを喜ばしく思うと語った。