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年金とM&A(1)従業員に支払う債務、買収価格に影響

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M&A実施、年金制度が継続するか評価

――確定給付年金の評価方法は。

 「確定給付年金の評価は、従業員に約束した給付が、将来、いつ、いくら生じるかを予測し、その現在価値として計算する。この際、ゴーイングコンサーン、つまり今の年金制度が継続することを前提とする」

 「ところがM&Aを実施した場合、このゴーイングコンサーンの前提が怪しくなる。買収後も、今の年金制度が続くのか、どのように変わるのかを考えて評価する必要が出てくるからだ」

 「特に問題になるのは、グループ年金に加入している企業を買収したり、企業から一事業部門を分割したりするようなケースだ。買収にあたり年金制度の分割が必要で、年金の資産・債務などの権利義務の承継をしないといけなくなるからだ。この際に、確定給付企業年金法に基づいた手続きが必要だが、ここで定めている年金資産・年金債務の引き継ぎ方法や金額が、会計上の金額と異なるのがややこしい」

――具体的に、債務額をどのように買収価格に反映するのですか。

 「買収前後での年金制度の変更の有無にかかわらず、まずは、今の年金制度が存続したと仮定した場合の債務額を計算する。この計算は主に会計基準に則った計算で、年金債務と年金資産のネットの金額となる。次に年金制度の変更がある場合、追加でいくらのお金が必要になるか、また年金の分割ではいくらの年金資産を引き継げるかなどを厚生労働省が決めている確定給付企業年金法上の財政ルールに基づき計算する。そして、これらの金額を買収価格に反映する」

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